ウェブの常識を破った「POPEYE Web」
1976年に創刊された『ポパイ』は、ファッションはもとより、商品や店、旅行、スポーツ、音楽、イベントなど、“若者”のライフスタイルにまつわる情報を載せ、男性のバイブル的な存在となった。
インタビューのきっかけは、2021年に開設された『POPEYE Web(ポパイウェブ)』を担当する宮本賢さんと知り合ったことだった。『ポパイ』がウェブ版を立ち上げるということで、リーダーを務める宮本さんの話を聞いたのだ。
「自分たちが面白いと思ったことを、どんどんやっていこうと思っているのです」(宮本さん)
そう語る姿が楽しそうで、どんなウェブになるのか好奇心が湧いた。
実際に動き出したポパイウェブはとにかく斬新だ。文章中に写真を入れている記事など、一見すると読みにくいものもある。
「ウェブの常識でいうとめちゃくちゃ見づらくなるし、ページビューを考えたら絶対やっちゃいけないんですけど、紙じゃできない、ウェブでしかできないことをやりたかった。これをやることによって、『ウェブの記事でここまでできるんだ』ってみんなスイッチが入った」(宮本さん)
ユニークなことを次々と仕掛けており、さまざまな企業とのタイアップが入ることで、利益も出ているという。それは宮本さんの発想力と実行力に拠るところが大きいのだが、それをやらせている編集長の度量も大きい。
創刊から約50年、雑誌の意味がさまざまに問われる中にあって、『ポパイ』は確かな位置を築いている。『ポパイウェブ』も好調で、新しい読者が広がりつつある。
『ポパイ』が、どこに“らしさ”を置いているのか、これからどちらへ向かっていこうとしているのか――編集長を務める町田雄二さんと、ウェブを担当している宮本さんのダブルインタビューをお願いした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら