「ポパイ」掟破りのサイト運営が映す、らしさの本質 雑誌創刊から約50年、ウェブでも独自の世界を展開

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ほかの編集部の人が『ポパイウェブ』を見て、「自分たちも変えないといけないと思った」「こんなに効率を無視したウェブを作ってうらやましい」といった声もあり、狙ったことをある程度は達成できたと町田さんはとらえている。

「ウェブの存在によって『ポパイ』の幅の広さが出ているのは、ブランド的にはいいことかなと思っていますが、楽しそうになりすぎていると思うところも少しありますね(笑)」(町田さん)

改造したバンで「移動式編集部」を展開

宮本さんは、ユニークな試みを次々とやっている。例えば「移動式編集部」と称して、専用の改造バンを持っているのだ。

「面白いことがあったら、クルマで出かけていって取材し、その場でアップすることも可能なんです」(宮本さん)

移動式編集部(出所:POPEYE Web)

『ポパイウェブ』の存在を面白がっている外部の人の助けを得て、協賛的なかたちで実現したというストーリーもユニークだ。

例えば、「パルコ」とのタイアップは、移動式編集部のクルマの外装を「パルコ」仕様に変え、渋谷、吉祥寺、広島、大阪、名古屋、松本の「パルコ」を回って、それぞれの地でポップアップイベントをやりながら、道中のことを記事にしてアップしていった。「ウェブというベースがあるからできたタイアップでした」(宮本さん)。客からもパルコからも高評価を得たという。

タイアップについて、紙媒体ではファッション系が主たるクライアントなのだが、ウェブでは飲料やクルマのメーカーなどからの依頼もあり、領域が広がっている。広告も入っていて、それなりの数字を弾き出すまでに成長を遂げているという。

『ポパイ』の飛び地としてスタートした『ポパイウェブ』は、これからどのような方向に向かっていくのか。

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