成田第3ターミナル、華々しい離陸に残る課題 LCC利用客にとって、本当に便利なのか

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成田では2012年7月にジェットスター・ジャパンが初就航。その後、旧エアアジア・ジャパン(現バニラエア)、春秋航空日本などが乗り入れたことなどで、成田の国内線旅客数は2011年度の約193万人から2013年度は約518万人まで拡大。それにつれて、成田全体の旅客数も2011年度の約2800万人から2013年度は約3600万人まで拡大した。 

2012年3月からピーチ・アビエーションが就航する関西国際空港にも、LCC専用の第2ターミナルがあり、ピーチの快進撃ととともにそれまで低迷してきた関空の旅客数を上向かせる要素の一つとなっている。

第3Tの旅客取り扱い能力は750万人

新しく稼働を始めた成田の第3ターミナルは、LCCを中心として年間750万人の旅客取り扱い能力を有する。2015年度に3700万人の旅客数を目指す成田にとって、中長期的な成長を狙う点で戦略的な意味を持つ。

ただ、成田の第3ターミナルには課題も見える。一つはLCC向けといいつつも、現在のところは成田に乗り入れている国内外14LCCのうち、5社の利用にとどまっていること。たとえば、国内4LCCのうちピーチだけは第1ターミナルのまま。カウンターのスペースなど物理的な制約もあり、成田のLCCをすべて集めるということもできないようだ。

もう一つはアクセスの不便さにある。第3ターミナルは、第2ターミナルの北側500メートルの場所に建設された。成田の第1ターミナルは「成田空港駅」、第2ターミナルは「空港第2ビル駅」がそれぞれ直結しているが、第3ターミナルには鉄道駅が直接乗り入れていない。鉄道で利用する「空港第2ビル」駅で下車し、第2ターミナルからのシャトルバスか徒歩でのアクセスとなる。

このシャトルバスが空港内の一方通行の関係でかなり遠回りになり、思いの外、時間がかかる。空いていれば10分弱だが、朝のラッシュ時だと15分以上要することもある。一方、徒歩なら約8分。要は歩いた方が早いものの、荷物が多いとそうも言っておられず、もどかしい。

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