スカイマーク撤退説に怯える茨城空港の煩悶 茨城県が打ち出した「大盤振る舞い」の賭け

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2010年に民間空港として開港した茨城空港(写真:MASIA / PIXTA)

今年1月に経営破綻したスカイマークの再生をめぐり、関係者の間で緊張感が高まっている。ANAホールディングスや投資ファンド「インテグラル」などが支援する再生計画に対して、スカイマークの大口債権者で航空機リース会社のイントレピッド・エアクラフト・リーシング・エルエルシー社が異論を唱え、別の案を提出。8月に開かれる予定の債権者集会に判断が委ねられる見通しとなっている。

どちらの案が通るのかは予断を許さないが、いずれにせよ、スカイマークの再建が本格化すれば、あらゆる点で効率化が求められることになるだろう。路線再編も焦点のひとつ。すでに石垣空港、宮古空港(沖縄)の発着路線からは撤退し、米子空港(鳥取)、仙台空港(宮城)の発着路線についても撤退が決まっているが、さらに路線撤退を追加する可能性もある。

気になるスカイマークの動向

今年1月に経営破綻したスカイマーク

その動向をおそらくもっとも警戒しているのが茨城空港だ。「徹底した経営のスリム化が必要なスカイマークが、茨城空港から撤退するシナリオはありえる」。航空業界でそんな観測がまことしやかにささやかれているからだ。

茨城県小美玉市。茨城空港は県庁所在地の水戸から高速道路を使って車で約30分、つくばからだと同約40分の場所に位置する。もともとは防衛省・航空自衛隊が管理する「百里飛行場」として運営されていたところに、茨城県が民間空港としての共用化を進め、2010年3月に開港した。民間空港としての歴史は浅い。

その茨城空港を拠点に現在、国内線を飛ばしている航空会社は、スカイマークしかない。「茨城-神戸」「茨城-福岡」「茨城-札幌(新千歳)」の3路線だ。いずれも基本的に1日2便の運航となっている。

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