呼吸と姿勢を整える。それが「心を磨く」第一歩
感情に振り回されない人になりたい、どんなときにも落ち着いていたい、自分らしくありたい……そう思う人は多いことでしょう。でも現実には、誰かの言葉や行動にカッとしたり、緊張してうまく話せなくなって実力が出しきれなかったりするものです。
「落ち着け」「冷静に」と脳がどれだけ命令しても、バクバク動く心臓を、手のひらににじむ冷や汗を、私たちは止めることができないのです。
そんなとき、まず確認してほしいのが呼吸です。怒りや驚き、緊張などに心が支配されているとき、呼吸は必ず浅くなっているものです。胸だけでハッハッハと短い呼吸をしているはずです。呼吸はそのときの心の状態と結びついているものなのです。
心の状態で呼吸は変わり、呼吸の状態で心が変わります。心をコントロールできないときこそ、呼吸をコントロールしましょう。
禅には「調身、調息、調心」という言葉があります。姿勢を整え(調身)、呼吸を整え(調息)れば、心も整う(調心)という意味です。この3つは不可分のもので、どれかひとつ欠けてもうまくいかないという意味です。
後述しますが、正しい姿勢をとらなければ正しく呼吸することはできません。心が乱れているとき、たいてい肩や背中に力が入っているはずです。胸がギュッと縮こまっているから浅い呼吸しかできないのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら