禅僧が説く「感情に振り回されない」心の持ち方 呼吸と姿勢を整える、それが「心を磨く」第一歩

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2、姿勢を正す

同じ年齢にもかかわらず、見るからに若々しく感じられる人とそうでない人がいます。その違いはどこにあるのでしょう。

いちばんの違いは姿勢です。姿勢はその人の全体的な印象を形づくるのです。

年齢とともに筋力が衰えると、少しずつ背中が曲がり、骨盤が傾き、顔や首がうつむきがちになります。その姿が「老い」をイメージさせてしまうのかもしれません。

若さだけではありません。「美しさ」もまた、正しい姿勢の中に感じられます。立つとき、歩くとき、食事するとき、正しい姿勢を保っていると動きにムダがなく、見た目にも軽やかで美しい印象を与えます。

正しい姿勢は、健康を保つうえでも重要なことです。ねこ背の姿勢になると、首が前に出て頭が下がってしまいます。頭は重いので、本来は背骨全体で支えるものです。しかし首が前に倒れると頭の重さを支えるのが首や肩になるため、肩こりや頭痛を引き起こします。また、ねこ背になると胸や腹部が圧迫され、内臓の働きも悪くなります。

「正しい姿勢」とは?

なかでも大きな問題は、呼吸が通りにくくなることです。試しに背中を丸め、うつむいた状態で呼吸してみましょう。吸い込んだ息が胸のあたりでつかえてしまい、おなかまで吸い込むことができなくなるはずです。

呼吸と姿勢は、車の両輪のようなもの。姿勢が正しくなければ深い呼吸はできませんし、呼吸が浅い人は姿勢も悪いと思って間違いありません。

では、「正しい姿勢」とはどのようなものでしょうか。ひと言で言えば、頭のてっぺんと尾てい骨が一直線上にあるような立ち方です。

人間の背骨はS字形にゆるやかにカーブしていて、頭頂部と尾てい骨は、床から垂直に伸びる直線上に位置するのが本来の形です。その姿勢で立つと、体のどこにも無理な力が入りません。頭の重さは背骨で負担なく支えられますし、左右の足に均等に体重がのるはずです。肩に余計な力が入らないので、胸も開きます。

どうすればそのような姿勢を作れるのかというと、下腹に力を入れることです。へその二寸五分の場所を「丹田」といいますが、ここに力を入れることで自然に骨盤が立ち、背骨がまっすぐ伸びるのです。

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