一流の人は「結果が出ない時」への対処がうまい 著名コーチの助言「過程は栄光の一瞬より長い」

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やみくもに急いでも、ケガが待っているだけだ。GSTを行っていると、まったく進歩しない期間が長く続いた後、いきなり飛躍的に成長し始める。

私の場合、彼の「ハムストリング・シリーズ」を練習して6カ月目に差しかかった頃、自分の最大可動域が一夜にして倍になったように思えたことがある。

それまで一向に成果が見えなかったのにだ。

これは、ソマーにとってはまったく珍しくないパターンだそうだ。

コーチ・ソマーからのアドバイス

どんな人もストレスを感じることがあるが、私の場合は、何か新しいことに挑戦していて、数週間経っても進歩がほとんど見えてこないと、とくにストレスを感じる。

コーチ・ソマーからは、結合組織の適応には200~210日間かかると常々聞かされていた。

それでも「開脚前挙」の練習を始めて2~3週間後には、もう万策尽きたような気になっていた。

コーチ・ソマーには毎週、練習風景をドロップボックス経由で送っていた。あるとき、その報告メモに、「目に見える進歩がまったくないので、やる気を維持しづらい」と正直に書いてみた。

以下は、コーチからの返信メールだ。私はエバーノートにその場で保存し、折に触れて読み返すようにしている。どこを取っても素晴らしい内容だ。

ティムへ

焦っちゃだめだ。筋力の向上を期待するには、あまりにも性急すぎる。

こうした動きをするための筋力が向上するには、少なくとも6週間はかかる。それ以前に感じる「進歩」はすべて、単にシナプスの伝達効率が上がっただけにすぎない。

つまり、練習した結果、中枢神経系がその特定の動きに関して、以前よりも効率的に機能するようになった、ということだ。だが、それを筋力の向上と混同してはいけない。

進歩が見えないことによる一時的なストレスに対処することは、一芸に秀でるための重要なノウハウの一部だ。不可欠と言ってもいい。

それは、一流アスリートの誰もが学ばなければならなかったことだ。

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