社会人2年目になると年収が500万円くらいに上がる。その後も年収は勤続年数に比例して上がっていき、30歳で700万円台まで上がった。
「初年度はちょうどリーマンショックの影響でボーナスは出ませんでしたが、翌年からは夏、冬と出ました。さらに、繁忙期は残業が多かったため収入が上がりました」
収入も上がり、貯金が増えてくると弾みが出てくる。カードでざっくり管理していた支出を、エクセル集計して細かく管理するようになった。経理職での強みを生かして、分析などもしていたそうだ。
太朗さんは就職活動の際に「ある程度年収の高い企業」を意識して受けていたそうだ。年2回の賞与や、残業代、福利厚生で家賃補助があるかなど、お金を貯めるにはそうした観点での企業選びも大切なのだと痛感した。
しかし、就職事情は人それぞれでもある。参考になる人たちの話は、できるところを取り入れて、あとは必要以上に比べたり落ち込んだりしないことが安定した節約のコツだと感じている。読者の方々も、ぜひ取り入れやすいものだけ参考にしてほしい。
その後、25歳で結婚、26歳で長女誕生、27歳でマイホーム購入と、20代半ば以降は太朗さんにとって転機の連続だった。住宅ローンの3300万円を繰り上げ返済するために、本格的な節約貯金生活へと入っていった。
食費月2万5000円を達成した「100円ルール」
「1年分の生活防衛資金120万円を除いて、あとはすべて住宅ローンの繰り上げ返済に回しました。とにかく借金、利子が嫌で……」
住宅ローンはそのままの年数で対応しつつ、投資に回して資産を形成するという考えもある。しかし、投資は確実なものではないからこそ、確実に借金を減らして身軽になりたいと判断し、繰り上げ返済を選んだ。
気になったのは夫婦間の認識のすり合わせだ。夫婦でお金の価値観を合わせていかないと、大幅な節約や繰り上げ返済は難しい。太朗さん宅ではどうしていたのだろうか?
「妻は最初の頃は節約生活に抵抗があったようです。ただ、うちの場合はマイホーム購入に関して妻の希望が強かったので、『〇歳までには完済したい』『そのために月の生活費はこれくらいに下げて、いくら貯める必要がある』など、家のローンを通して節約することの大切さを伝え、協力し合えるようになりました」
また、おこづかいの中でのやりくりだが、妻の月々の美容代や交際費などもきちんと支出。生活満足度を保つことができている。「マイホームを買う」など大きな目標を共有すると、同じ方向を向いて進んでいきやすくなるのだろう。
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