消えた「世紀の大発明」セグウェイが見せた復活劇 「あなた」に合わせて進化する未来のモビリティ
その後も、「GPSを開放したら……」「あと3日間乗ったら……」など、ユーザー側に条件を提示しながら少しずつ制限の緩和を提案してきます。こちらとしてもグレードアップされたほうがうれしいので、素直に提案されたとおりに行動しながら、少しずつ性能を実装していきます。
その性能はスマートフォンアプリで制御されているので、ハードウェア自体はそのままに、速度制限という性能だけがグレードアップされていきます。
使い続けると姿かたちまで「大変身」
こうしてだんだんとグレードアップした「S-PRO」の運転にも慣れてきたある日、私のスマートフォンにナインボットから新たなオファーが届きました。
「あなただけのスペシャルオファー、別売りのゴーカートキットを限定販売します!」
迷わず購入のボタンを押すと、数か月後に、ゴーカートの別売りキットが届きました。
このキットを「S-PRO」に装着すると、二輪のモビリティが四輪のゴーカートへと変身しました。スケールは異なりますが、子どもの頃にミニ四駆を改造したときの高揚感を思い出して楽しくなります。
ゴーカートにアップグレードすると、スマートフォンアプリには「カメ」「ウサギ」「カンガルー」のアイコンが表示されています。これも、条件によって制限速度が3段階に分かれていることを表しています。あとは同様に、走行実績に応じて制限速度を解除するオファーが届く仕組みになっています。
このように、二輪車、ゴーカートそれぞれの「ハード」の仕様は変わらず、スマートフォンアプリという「ソフト」で差をつけ、追加課金とサブスクリプションで稼ぐのが、このナインボットのビジネスモデルの特徴です。
ユーザーに「速度制限が解除されてもっと速く走れる」という明確なベネフィットを提示して、それと引き換えにユーザーデータを収集するアプローチがとられています。
このナインボットのビジネスモデルには、もうひとつの特徴があります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら