消えた「世紀の大発明」セグウェイが見せた復活劇 「あなた」に合わせて進化する未来のモビリティ
それは、スマートフォンアプリから収集した走行データをパーソナライズされたプロモーションに活用している点です。
先ほど、二輪車からEVゴーカートに変身する追加キットの特別オファーを受けた話をしました。あとでナインボットの方に聞いてみたところ、このオファーは「S-PRO」の走行距離データ、決済データなどをもとに、一定以上の走行実績があり、かつ購買力を備えていると見込んだユーザーに限定して送られるシークレットオファーだそうです。
「このユーザーは3日で飽きてほとんど乗っていない」
「このユーザーは定期的に乗っているが、低速スピードで走っている」
といった個別のデータに合わせて、ユーザーごとに最適化されたシナリオでプロモーションが行われているのです。
このように、ナインボットではユーザー一人ひとりの使用履歴や購買力などに応じてパーソナライズされたマーケティング戦略によって、従来のマーケティングコストを大幅に削減しながら効果的なプロモーションを実現しています。
ナインボットが切り開いた「IT×製造業」の可能性
このほかにも、「ハード」ではなく「ソフト」で性能をコントロールするナインボットのビジネスモデルには多くのメリットがあります。
まず、ソフト上での性能のアップデートはダウンロードひとつで完了するので、わざわざ新しいハードを開発・生産する必要がなく大幅なコストダウンが見込めます。
また、ソフトの根幹の仕様は外部に漏れないので、企業としての機密性が向上します。
さらに、交通の法規制は国によって異なりますが、その国ごとに制限速度などのロケールを設定することができるので、法規制の壁を超えて全世界のマーケットに対応することができます。そのあたりも含めてじつに巧みなビジネスモデルになっています。
このナインボットのように、ユーザーと1to1でコミュニケーションをとりながら性能をソフトウェアで制御するという発想に、「IT×製造業」の未来の一端を垣間見ることができます。
こうした事例はものづくり技術に大きな強みを持つ日本の製造業にとっても大きな示唆を与えてくれるでしょう。
このように、世界に目を向けてみると、私たち日本人が気づきもしないようなビジネスチャンスがいたるところに隠れているのです。
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