大インフレ時代にチェックすべき経済指標の順番 日本の経済指標やGDPは最重要ではない理由

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FRBはアメリカの中央銀行ですが、世界中にドルの流動性を供給しているという点において、世界の中央銀行でもあります。したがってどの国にも中央銀行総裁という立場の人はいるのですが、FRB議長はそのなかでも抜きんでた存在であり、他の国の中央銀行総裁は、常にFRB議長の意見に耳を傾けているのです。

そして、その傾向は中央銀行に限った話ではありません。ビジネスの最前線においても、あるいは政治の世界においても、常にアメリカは各界のリーダー的存在であり、だからこそ、その一挙手一投足が注目されているのです。

アメリカに続いてチェックする国は

アメリカの次に注目されるのは日本です。アメリカがトレンドをつくった後、日本がそのトレンドに沿った方向に、政策などの舵を切っているのかどうかという観点で、日本の経済指標をチェックします。

その次が中国。中国は世界の工場として、さまざまな国からの仕事を受注しています。つまり中国の製造業が今、好景気に沸いているのか、それとも不景気に苦しんでいるのかという点を見るだけで、世界経済の状況、各国の景気動向が大まかにわかります。

最後にEU(欧州共同体)の経済指標にも簡単に目を通しておきます。アメリカや日本、中国に比べて、欧州のプレゼンスは弱いのですが、それでもEU全体で見れば、その経済規模はアメリカの7割に相当します。そのくらいの経済規模を持っているのです。だから無視はできません。

なかでもドイツは、EUのなかで最も強い経済力を持っています。ですから、ドイツの鉱工業生産やPMIなどは、必ず目を通すようにします。

以上、各国の経済活動の規模と流れを解説しました。投資家のみなさんは、まずはアメリカの経済指標を見るのが一番重要です。日銀短観や日本の雇用関連統計、GDPなどは、日本の新聞などに大きく報じられることもありますが、マーケットに及ぼす影響力という点では、アメリカの経済指標に敵いません。

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