2023年の日経平均株価の高値は「今」かもしれない 「3万円」を達成した後の下落に注意が必要だ

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日本株が好調だ。だが広島サミットが開催される今週が今年のピークになる可能性がある(写真:ブルームバーグ)

前回の記事のふりかえりから始めたい。タイトルは「バフェットが買っても日経平均の3万円は難しい」(4月20日配信)だった。日経平均株価は3万円を突破した(17日の終値3万0093円)が、結論から言えば今回も基本スタンスは変えない。

日経平均の上昇余地がいよいよ少なくなってきた

同記事のサブタイトルを見ていただくとわかるとおり、私の基本スタンスは、日経平均の「上昇余地はあっても年末下落のシナリオは不変」である。実際、5月1日以降に株価が上昇したことで、直近はいよいよ上値余地が少なくなっている。

一方で、基本スタンスは変えないものの、前回の記事も含めて大型連休前から、とりわけ日経平均の上値についてはつねに機敏にマーケットに対応してきた。連休後の5月8日にも「日経平均はレンジ(ボックス)を上抜けすれば最大3万円程度も」などとコメントしたが、これらは4月27~28日の日銀金融政策決定会合や5月2~3日のアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)の中身などを精査したうえでの決断である。

とくに、4月27~28日に開かれた日銀金融政策決定会合は市場にとって大きなポジティブサプライズだった。同会合は、4月9日に就任した植田和男新総裁の下での初会合だった。ここでは市場参加者のコンセンサスどおり、大規模な金融緩和を維持するとともに「イールドカーブコントロール(YCC)」についても改革などの政策変更はなかった。

だが、同時に金利がゼロになって以降の「非伝統的金融政策」の効果と副作用についての「レビュー(点検)」を「今後1年~1年半かけて実施する」ことを打ち出した。

私も含め、多くのマーケット参加者は半年程度での政策変更(遅くとも12月18~19日の会合まで)があるとみていたのだが、市場には「年内はもちろん、来年秋までは緩和維持」と受け取られたのだ。日経平均株価の動向に影響が大きい輸出関連企業にとっては当面、円高リスクを気にしなくて済むとみなされ、株価に大きなインパクトを与えた。

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