これから「防ぎようのないバブル崩壊」が長く続く 株式市場や不動産の価値は一体どうなるのか

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買収されたスイスのクレディ・スイス・グループ。金融当局は「システムの崩壊はない」と言うが、今後はどうなるのか(写真:ブルームバーグ)

アメリカのシリコンバレーバンク(SVB)、シグネチャー・バンク(SBNY)が相次いで破綻し、ファースト・リパブリック・バンク(FRC)が危機に陥っている。続いて、欧州でクレディ・スイス・グループが行き詰まり、同国のUBSグループに救済合併されることとなった。

「静かで確実なバブル崩壊」が起きている

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新聞などで「もはや世界金融システム危機だ」といった見出しが躍るところだが、それは起きない。金融システムは盤石ではないが、破綻はしない。

なぜなら、2008年のリーマンショック(世界金融危機)のときに、欧米の金融システムは念入りな手当てを施した。「バーゼル3」(主要国の中央銀行監督局が加盟するバーゼル銀行監督委員会によって定められた規制強化策)によって、当時よりもはるかに金融危機のリスク耐性を高める対策が取られているからだ。

さらに、今回の金融バブルでは、違法的あるいはそれに近い投融資はごく一部の例外であり、ただのバブルが壮大におきているだけだからである。

世界中の中央銀行は異常な金融緩和、それも量的緩和という実弾で国債などを買いまくる政策をとったから、リスク資産市場はすべてのものが値上がりした。そして、今度は世界中の中央銀行はインフレへの対応として、利上げと引き締めに走ったから、それらのリスク資産の暴落が始まった。

その中でも、もっとも直接的にバブルになっていた世界中の国債(なぜなら、中央銀行という世界一保守的な買い手が、直接買いまくったリスク資産であったからである)、とりわけアメリカ国債の暴落が起きた。静かで確実なバブル崩壊が起きているのである。ただ、それだけのことである。

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