株式は「冬の時代」を迎えたのではないか。では、冬は2023年だけで終わるのか。それとも3年、いや5年、いや10年、いいや22世紀まで続くのか。それが問題だ。
個人的には、21世紀だけでなく、22世紀も株式市場は冬眠を続けると思っている。
その理由は近代資本主義が終わり、膨張の時代から内的質的充実の時代、動の時代から静の時代、変化の時代から安定的循環の時代、スピードの時代から観察・熟考の時代に変わると思っているからだ。
しかし、この話の一部は前回の「資本主義が静かに衰退を始めていると言えるワケ」でも触れたので、今回は読者の意向に合わせて、目先の2023年の株式市場の話をしよう。
2023年の株式市場にいいことは1つもない
2023年、株式市場にとっていいことは1つもない。株式市場が冬眠するといえる、以下の10の理由がある。
第1に、アメリカの金利は上がり続ける。市場は利上げ打ち止めから早くも後半から年末にかけて利下げが始まると期待しているが、すぐに裏切られるだろう。世界的にドル高は続き、新興国も金利を高く維持する必要があり、世界中で金融引き締めは続く。
理由は単純だ。インフレ率はピークアウトするものの、高止まりするから、アメリカの中央銀行であるFED(連邦準備制度)は利下げをせず、5%を超える政策金利が続く。これに対抗して(対応して)、通貨防衛のために新興国の中央銀行も金利を高く維持する。
第2に、それにもかかわらず、市場関係者は2023年後半からのFEDの利下げを期待し、市場金利はそれを織り込んでいる。
この結果、金利が高止まりして景気にとってマイナスであるだけでなく、金融政策の現状維持、つまり利上げをしないというFOMC(連邦公開市場委員会)の中立的な決定が「ネガティブニュース」としてインパクトを持ってしまう。アメリカの金利という1つの要素で二重にマイナスの影響を受けてしまうわけだ。
しかも、自ら首を絞める、無駄な期待からの失望というイベントを作ってしまう。金融相場としては、最悪の展開である。
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