バフェットが買っても日経平均の3万円は難しい 上昇余地はあっても年末下落のシナリオは不変

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著名投資家であるバフェット氏の日本株買い増しは好材料。それでも日経平均の3万円はまだ遠い(写真:ブルームバーグ)

まずは前回の記事「日経平均は反発後、4月以降下落する懸念がある」(3月22日配信)からの株価の動きを振り返ってみよう。

値動きは想定内だったが「バフェット登場」は想定外

私は「円安株高のリバウンド相場に移行して、戻り高値2万7800~2万8500円程度をつける可能性がある」としていたが、実際日経平均は3月20日の2万6945円(終値、以下断りのない限り同様)を底値に反発した。

その後は4月4日には2万8287円まで上昇したものの、6日には円高が進んだことで2万7472円まで大幅に調整。これで3月9日の2万8623円に対する二番天井をつけたように見え、ほぼ想定どおりの展開となった。

だが、その後の株価は再度急上昇した。円高リスクの後退が日本株の下支え要因となった面もあるが、一気に株価が反転上昇に転じてきた最大の要因は、「バフェット報道」だ。

11日の午前11時に「米著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが5大商社株の保有比率を7.4%(金庫株を除くベース)に高め、さらなる日本株の追加投資も検討」(日本経済新聞電子版)と伝わると、マーケットは敏感に反応、11日だけで日経平均株価は289円高となった。

報道直後から、大手商社株5社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事)は14日まで大きく上昇を続けた。ちなみに14日終値までの4日間の上昇率は、丸紅+10.6%、伊藤忠商事+9.8%、三井物産+8.4%、住友商事+6.0%、三菱商事+5.9%。同期間の日経平均+3.1%(TOPIX+2.1%)に対して大幅に上回った。

「バフェット効果」が続き、先週末14日時点での日経平均の終値は、前日比336円高の2万8493円となり、前出の直近高値2万8287円を一気に上抜けた。

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