日米の株価はやっぱり年央にかけて下落しそうだ ただし「暴落パニック」が起きる可能性は低い

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アメリカを中心に市場は楽観と悲観が交錯している。しかし、結局のところ株価はこれから下落しそうだ。その理由とは(写真:ブルームバーグ)

今年に入っての世界市場は、1つひとつの事象についてつねに楽観と悲観の間で揺れ動き、方向感が見出しにくい展開となっている。

経済・市場動向を見るうえで最も重要なアメリカについては、2月に発表された1月分のマクロ統計数値が雇用統計を筆頭として総じて強かったため「景気の腰が強い」との評価が広がった。しかし先週などは、重要なISM景況感指数の軟化もあって「実はアメリカの景気は弱いのではないか」との懸念に振れた局面があった。

アメリカの景気は一体どっちに向かっているのか

景況観が定まらないため、同国の連銀の金融政策については、一時は「3月の利上げは見送られる」との予想も唱えられたし、「それほど時を置かずに利下げに転じるのでは」との見通しも有力視された。そうかと思えば、金利先物市場においては、こうした金利先安観がかなり薄らいだりもしている。

シリコンバレーバンク(SVB)の破綻やクレディ・スイス・グループの経営不安といった騒ぎで、リーマンショックが再来するかのような悲観論もささやかれた。と思えば、銀行の経営不安を報じるニュースが途切れると、金融機関の経営不安などなかったかのような雰囲気が広がり、楽観的な相場つきになることも生じた。

そうしたドタバタは、アメリカに限ったことではない。例えば日本の銀行株が、一時はSVBやクレディ・スイスの騒ぎで売り込まれたが、これはあまりにもやりすぎだと考える。

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