揺れるアメリカで「まさかの6月危機」はあるのか 今は2011年の「オバマ政権3年目」と似ている

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FRBは金融機関の破綻に救済措置をとったが、金融引き締めを「中断」する羽目に。これではインフレリスクは消えない。不安定な状態で6月を迎えることになりそうだ(写真:ブルームバーグ)
この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

この原稿は神戸・三ノ宮のホテルで書いている。あいにくの小雨模様ではあるけれども、関東では散ってしまった桜がこちらではまだ残っていて、道行く人たちを楽しませている。

メリケンパークでは、豪華客船が停泊している姿を見かけましたぞ。3年前の横浜港でのダイヤモンド・プリンセス号を思い出すと、感慨深いものがありましたな。

欧米金融機関の破綻と救済措置をどう捉えるか

それにしても関西には、外国人観光客がいっぱい来ている。新幹線に乗れば京都駅で文字どおりドドドッと降りていったし、新大阪駅では巨大な荷物を抱えたご一行が、タクシー乗り場で行列を作っていたのを見かけたぞ。しみじみ新型コロナは遠くなりにけり。この春は「平常への回帰」を楽しむ日々となりそうだ。

というのは大いに結構なことなのだが、3月に起きた一連の欧米金融機関の経営破綻や救済措置をどう考えればいいのだろうか。4月になったら小康状態となって、「どうやら危機は峠を越えた」とばかりに株価なども戻している。しかるにこれで「すべては元どおり」とはなりそうもない。あらためて先月の出来事を思い出してみよう。

3月10日 シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻
3月12日 シグネチャー銀行が経営破綻(暗号資産取引に定評)
3月16日 ファーストリパブリック銀行に大手行が共同で資金支援
     FRBが救済策として”BTFP”を新たに設定
3月19日 経営危機のクレディ・スイスグループをUBSグループが買収

それに続く3月21~22日のFOMC(連邦公開市場委員会)は、当然のように0.25%の利上げを決めた。「金融行政(銀行救済)と金融政策(金融引き締め)は別物」ということのようである。

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