私見ながら今回の事態は、以下のような長い物語の中で位置づけられるべきなのではないかと思う。
債務上限問題と銀行破綻処理が結びつく危険性
こうして見ると、なんだか春が来るたびに新たな危機のステージを迎えているようである。してみると、次は2024年の春が危ないのだろうか。
いやいや、その前に気がかりなことが1つある。それはアメリカの債務上限問題だ。ネタ自体は「いつものこと」なのだが、これが銀行の破綻処理問題と結びついたりすると、非常に厄介なことになる。
ジャネット・イエレン財務長官が明言しているとおり、同国債はすでに今年1月19日に法律上の上限である31兆3810億ドルに達している。ゆえに新たな発行ができなくなっている。
そこで議会に対して至急、債務上限を上げるように要望しているのだが、今年1月から下院は共和党が多数となっている。彼らは、財政支出の削減がなければ応じられないと言っている。そして毎度のことながら、こういう問題は締め切りが迫ってこないと議員さんたちは動いてくれないのである。
現在は同国の財務省が急がない支出を後回しにしたり、退職者年金の積み立てを止めたり、やりくりをしながら資金ショートを防いでいる。そして今後の税収の多寡などにもよるのだが、6月上旬にはいよいよ誤魔化しきれない瞬間がやってくる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら