バフェットが買っても日経平均の3万円は難しい 上昇余地はあっても年末下落のシナリオは不変
今後、4月後半から5月中旬にピークを迎える企業の決算説明会・中期経営計画、あるいは6月以降のコーポレートガバナンス報告書、同月末にピークを迎える3月末決算企業の株主総会での株主議案など、上場企業の経営者にとってプレッシャーのかかる(株主と対話をする)タイミングを迎える。
短期的な日経平均の見通しは、前出のように14日の2万8493円がその前の4月4日の高値2万8287円を上抜け、前回私が今年の年間高値になるかもしれないとした3月9日の2万8623円も上回った。日経平均は昨年2022年8月17日につけた2万9222円付近まで上昇する可能性もあるだろう。
TOPIXの逆行現象には注意が必要
一方で、TOPIX(東証株価指数)は直近高値だった4月4日2022.76を上抜けしたものの、3月9日の高値2071.09まではまだ幅がある。日経平均は3月9日の高値を上抜けたが、日経平均とTOPIXがダイバージェンス(逆行現象)となる可能性があることに留意したい。ダイバージェンスは弱気(下落に転じる)のサインになることが多いからだ。
それでも、今後TOPIXも上記の直近高値2071.09ポイントを上抜けする場合、日経平均は昨年2022年8月17日につけた2万9222円も視野に入る。
ただ、ここまで上昇すると利益確定の売りも出やすく、株価が天井をつける可能性も高い。このため、現在の株価にはまだ上昇余地が残るものの、年内の高値圏をつけている過程だと見ている。高値から下落への転換点となるタイミングは、まさに今週(17~21日)かもしれない。
私が頭のなかで想定している以下の株価下落リスク(日本株に大きな影響を与えるアメリカ株下落、日米金融政策の違いによる円高懸念、米欧の金融システム不安再燃、米中対立による半導体などの供給網分断、地政学的リスクなど)は消えていない。これらの可能性がマーケットで意識されると、株価は下落に転じよう。
実際、アメリカの株式市場はNYダウ平均が4月11日に直近高値を抜けてきたが、NASDAQ総合指数が3月31日の直近高値である1万2221.91ポイントを抜けていない(ザラ場では一時突破)。今後NASDAQもこの高値を上抜けするのか、下落に転じるのかを注視したい。
当面は注意深くリスクの点検をしながら、日経平均が今後前出の安値レンジ(2万6500円前後)に近づけば、冷静かつ果敢に押し目買いで対応したいところだ。
(本記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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