バフェットが買っても日経平均の3万円は難しい 上昇余地はあっても年末下落のシナリオは不変

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5大商社株の上昇に加え、14日については今期の業績予想の上方修正を発表したファーストリテイリングの株価が1日で2570円高(+8.4%)の3万2840円と急伸したことが最大の要因だ。1銘柄で日経平均を261円押し上げた。

日経平均のレンジ引き上げでも基本シナリオは不変

では、今後の株価はどうなるのか。 日経平均の年間レンジ予想は、私の高値予想のメドである2万8500円程度をわずかに超えたものの、まだ大枠では想定どおりの展開になっている。

そのため、戦略的に年間高値のレンジを500円引き上げ、「2万9000円程度」に上方修正する。一方で基本シナリオにおける安値レンジも2万5700円程度から800円ほど引き上げ、2万6500円程度(最悪シナリオが実現した場合は2万5700円程度)に上方修正する。

年間の上限下限レンジを若干引き上げただけで、年初から(前回の記事まで)の私の基本スタンスは変わっていない。大きなボックス圏での値動き(12月末安値)を想定する見方は継続する。

今回のレンジ引き上げの理由は2つだ。

まず1つ目。前回の記事では、「私は誰が新総裁になったとしても4月以降の金融政策変更は避けられず、それが円高(円安一服)要因になると見て、日経平均株価の上値は2万8500円程度」と想定した。

実際、4月9日に就任した植田和男新総裁による最近の公式発言からは、市場参加者のコンセンサスどおり、4月27~28日の金融政策決定会合では政策変更(イールドカーブコントロール改革など)はなく、6月会合でも見送りの可能性が高まってきているからだ。

世界の信用不安が落ち着いていることが大前提だが、前回までのとおり、夏から秋以降にかけては、日銀の金融政策変更(イールドカーブコントロール改革など)への期待が高まるとの見方は維持する。

2つ目は、今回の「バフェット報道」をきっかけに、日本株を半ば無視していた国内外の投資家が再考する余地が少し高まった可能性があるからだ。実際、3月9日でいったん明らかに止まったバリュー株への物色が、「バフェット報道」で想定よりも早く復活した。

もちろん、東京証券取引所が「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」で改善を促した「PBR1倍割れ銘柄(低PBR銘柄)改革」には私も注目してきた。だが「PBR1倍割れ銘柄(低PBR銘柄)」に、年度の初めから再度スポットライトが当たってきたことは、想定外のサプライズだった。

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