2023年の日経平均株価の高値は「今」かもしれない 「3万円」を達成した後の下落に注意が必要だ

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今回の会合後の記者会見で植田総裁は、経済や物価情勢に合わせた政策変更は「毎回の決定会合で行う。(レビューを)目先の政策変更に結び付けるわけではない」と発言している。だが「レビューの目的」が「特定の政策変更ではなく、点検にある」としても、今後YCCについても議論の中で点検される可能性があるはずだ。

その一方、植田総裁は、レビューに要する期間については「将来の政策運営に役立てる」とも語り、レビューの結果を踏まえて臨機応変に金融政策変更をする可能性も否定していない。どんなに遅くとも「Xデー」は来年秋にやってくるかもと、しっかり頭にインプットしておきたい。

日経平均の当面のピークは、まさに今週かもしれない

最後に日経平均の高値の時期についてズバリ予想してみたい。結論から言えば、今週(5月15~19日)が3万円台で当面のピークになる可能性が非常に高いと思っている。その主な理由は以下の3つだ。

1つ目は、国内上場企業の決算発表のピークが5月12日であり、5月15日以降は自己(自社)株買いや増配でポジティブな評価を受ける企業が急減すること、つまり好材料が出尽くしになる可能性が高いということだ。

ほぼ出そろった2023年度(2024年3月期が中心)の会社計画(今期予想)は、市場の予想を下回っているものも多い。「保守的」とされている会社予想に対して、どの程度、証券会社のアナリストが、自身の従来予想を引き上げられるのか注目したい。私はアナリストのコンセンサスが大きく引き上げられるとは見ていない。

2つ目は、アメリカの債務上限問題をめぐって市場の緊迫感が高まっていることだ。同国の財務省は資金繰りが行き詰まる「Xデー」が早ければ6月1日に到来すると警笛を鳴らしている。

アメリカのジョー・バイデン大統領は5月9日に野党・共和党のケビン・マッカーシー下院議長らと債務上限引き上げについて協議したものの、合意には至らなかった。再協議は15日以降に行われる予定だが、党内基盤が弱いマッカーシー氏が歩み寄ることは難しい。

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