大インフレ時代にチェックすべき経済指標の順番 日本の経済指標やGDPは最重要ではない理由
経済指標は、まずアメリカを読む
経済活動や金融のグローバル化が進むなかでは、恐らく日本の経済指標だけを見ていては、世界経済の実像を把握することができません。つまり世界の経済指標を理解することも必要になります。大事なのは、経済指標の中身を知ることではなく、経済指標として出てきた数字を、どう読み解くのかということです。
もうひとつ大事なことがあります。それは、異なる国のいくつかの経済指標を、ひとつの「流れ」として見るセンスです。
私は日本株の信者です。日経平均株価は2050年までに30万円になると言ってはばかりません。そのくらい日本に対して強くコミットしています。
でも、経済指標を見るにあたっては、アメリカ推しです。マクロ経済の流れ、現状を把握するためにまず見るのは、アメリカの経済指標です。なぜなら、世界経済の大きな流れは、アメリカを見ないとわからないからです。
アメリカは世界で最も経済規模の大きな国ですし、強力な軍事力を持ち合わせており、政治や経済政策などでリーダー役を果たしています。アメリカで発表される経済指標は別段、先行的な動きをするものではないのですが、大きなトレンドや転換点は、やはりアメリカの動きを見ないとわかりません。
たとえば中央銀行のトップは、世界中に国の数ほどいますし、そのなかでもとりわけFRB議長、日銀総裁、ECB(欧州中央銀行)総裁、BOE(バンク・オブ・イングランド)総裁の発言は注目を集めますが、もっとも注目度が高いのは、FRB議長の発言です。