大インフレ時代にチェックすべき経済指標の順番 日本の経済指標やGDPは最重要ではない理由

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いくら日本の雇用関連統計が絶好調だったとしても、アメリカの雇用統計のひとつである「非農業部門雇用者数(nonfarm payrolls)」の数字が絶好調だったら、円は買われるどころか、逆に大きく売り込まれることになります。日本の経済が絶好調でも、円が売られるのです。それだけアメリカ経済が世界経済に及ぼすインパクトが大きいということです。

そうである以上、ちまちまと日本の経済指標をチェックする必要は、ほとんどありません。まずはアメリカの経済指標で押さえるべきものを押さえておけば良いのです。

『世界インフレ時代の経済指標』P.37より

米雇用統計は、マーケットを大きく動かす

とにかく大事なのはアメリカの「雇用統計」です。本稿で「大事」というのは、すべて「相場にとって大事」という意味であることを念頭に置いて、読み進めてください。

雇用統計は毎月第1金曜日に発表されます。アメリカだと午前8時半で、これは日本時間だと午後9時半に当たります。(夏時間のとき。冬時間だと午後10時半)。この時間に米ドル/円の為替レートをリアルタイムで見ていると、発表直後に為替レートが激しく動くのがわかります。

雇用統計ではさまざまな数字が発表されるのですが、特に注視しておくべきなのが、「非農業部門雇用者数」「失業率」「労働参加率」の3つ。経済的に大きなトピックがない平時の際には、まず雇用統計が重視されます。

一方、その時々の経済情勢で大きなトピックがあるときは、それに関連した経済指標が注目を集めます。たとえば2022年以降のアメリカでは、インフレが加速しました。こういうときは、雇用統計もさることながら、インフレ率に対する関心が高まります。アメリカでは「消費者物価指数」ならびに「PCE(個人消費支出)」の2つが注目されます。

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