「高すぎるマンション」購入決めた人の妥協点3つ 23区平均1億円超「いま"条件外し"が賢い買い方」

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しかし、ターミナル駅が最寄りになる物件を、新築・中古にかかわらず片っぱしから内見するも、狭すぎたり、古すぎたり、駅近でも歪な間取りなど、いまいち気にいる物件がない。

すると、不動産屋さんから、「どうしてもこの駅にこだわりますか? 1駅隣りにはなるんですが、藤田さんの希望にあいそうなA物件があるんですが……」という提案を受ける。

あまり気乗りしなかったが、「ダメもとでいいので、良ければ内見を」というので、後日内見をした。

すると、駅近でスタイリッシュな内装、1人で住むには十分な広さと間取り、当然ながら予算内。結婚してからも2人でなら住めそうである。

今まで回遊魚のごとく内見を繰り返していた藤田さんからすると、即答したい気持ちもあったが、ひとまず即答は避け、数日中に連絡しますと。その日は物件をあとにした。

「北千住」なら「千住大橋・南千住」なども視野に

自宅に戻り、貰った資料を眺めながら、確かにあの部屋は良かった。でももっと良い物件があるかもしれない。そもそもあの部屋何かあるのでは……。購入が現実味を帯びると妙に不安になり、頭のなかでさまざまな思考が駆け巡る。

翌日、「これだけ良い部屋をなぜ売るのですか?」と不動産屋に聞いてみた。すると、「今の所有者さんも気に入っていたのですが、転勤が理由です。最後まで賃貸に出すか悩んでいらっしゃいましたが、結局売ることになりました」と、納得する答えが返ってきた。

その後、この駅で先日のA物件以外にも気になる物件をいくつか内見させてもらい、最終的に不動産屋がおすすめするA物件を購入した。

藤田さんのように、ターミナル駅で探している方は多い。それだけに人気も高く、価格も高くなる傾向にある。こんな時は、「駅ズラシ」がおすすめだ。

例えば、もし東京・北千住で探しているなら、「千住大橋」「南千住」「綾瀬」も視野に。埼玉・浦和で探しているなら、「南浦和」「北浦和」も視野にといった具合だ。

実は主要ターミナル駅の発展に伴い、隣駅も発展していくため、ターミナル駅よりも築浅などの物件があることも。いうならば、いま現在の穴場駅を狙うのは賢い買い方である。

■南向きを避ける「部屋向きズラシ」

木山直樹さん(仮名、42歳)さんも条件外しして賢く購入した一人だ。木山さんは、奥さんと兄弟のお子さんの4人家族。

お兄ちゃんがまもなく小学生になるため、希望する学区内で、できれば南向きの明るい部屋を希望していたという。

気になる物件を見つけるたび内見するも、家族で住むには部屋が狭かったり、予算があわなかったり……。そんななかその部屋は狭かったものの、立地や共用施設などが気になるBマンションを見つけた。

不動産屋に、Bマンションの中で、もう少し広い部屋はないかと聞いたところ、希望する「南向き」ではないが、ちょうど同じ階に「西向き」ならあります、とのこと。

夫婦で顔を見合わせる――。奥さんが小さくうなずく。直樹さんはすかさず、「その部屋、今から内見できますか?」

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