「高すぎるマンション」購入決めた人の妥協点3つ 23区平均1億円超「いま"条件外し"が賢い買い方」
約20分後、運よく内見することができた。部屋の広さ、間取りともに申し分ない。学区もバッチリで、予算もギリギリだがなんとかなりそうだ。木山さんはすぐ購入を決めた。
住み始めてから数カ月――。
子どもたちが帰宅するころに部屋に“西日が入り”とても気に入っている。
日本では、「南向きが望ましい」という意識が刷り込まれている。そのため、南向きは人気があり価格も高くなりがちだ。
しかし実は、直射日光が当たらない北向き以外は、どの方角でも日照時間に大きな差はないといわれている。偶然にも木山さんご家族が選んだ「西向き」が、実質的に日照時間が1番長いともいわれている。
一般的に価格は、「南向き」→「東南・南西向き」→「東・西向き」→「北向き」の順で安くなる。南向きにこだわりすぎず、“貴方向き”の部屋を選ぶのがおすすめである。
駅3分以内を7分以内に変更
誰もが駅近が良いに決まっている、と思うかもしれない。そんななか最寄り駅から“やや遠い物件”を選ぶことで、良い物件に巡りあった事例を最後にご紹介したい。
都内のマンションに住む、佐々木剛さん(仮名、45歳)、恵さん(仮名、43歳)ご夫婦も今春にマンションを購入した。佐々木夫婦は、子どもを望まないDINKs。職場のプロジェクトチームで知り合い結婚した。
コロナ禍も落ち着きつつあるが、佐々木さんの職場では週の半分以上でテレワークが継続されている。2人ともテレワークになる日もあり、テレワークできる間取りと部屋の広さ、できれば駅近で物件を探していた。
佐々木さんご夫婦はいわゆるパワーカップルで資金に余裕はあるものの、この2人でテレワークできる間取りや広さがネックでなかなか良い物件が見つからない。最寄り駅を変えようかとも思ったが、職場へのアクセスや、恵さんの母親が近所に一人暮らしということもあり、できればこの駅は変えたくない。
そのため、当初は駅から徒歩3分圏内で探していたが、毎日通勤するわけじゃないからと、思い切って7分圏内まで条件を広げて探すことにした。
すると徒歩6分ほどのところに、部屋も広く、室内でも、共用施設でもテレワークできるマンションを見つけた。しかも近くには大きなショッピングモールもあり、日常的な買い物にも便利だ。迷わずこの部屋に決めた。
佐々木さんご夫婦が住まい探しでネックになっていたテレワーク。実際にどれくらい実施されているのか見ていこう。
東京都産業労働局が公表する「テレワーク実施率」を見ると、全体で51.6%と半数以上の企業で実施されている。さらに「従業員規模別実施率」を見ると、300人以上では82.1%にもなり、今後実施予定ありの7.1%もあわせると、89.2%にもおよぶ。
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