「ゴミ屋敷の実家を片付け」母が説得に応じたワケ 15年放置で動物やゴキブリまみれの状態に…

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この離れの片付けは2日間に及んだが、時間でいえば計10時間もかかっていない。しかしゴミ屋敷の片付けは、始めてしまえばあっという間でも、始めるまでに苦労する人が多い。

「現状に悩まれている依頼者さん自身が居住者ではない場合、家に入れてすらもらえず、説得が長引いてしまうことはよくあります。どうやったら片付ける気持ちになるんだろう、どうやったら業者を入れられるんだろう、といった相談の問い合わせはすごく多いです」

そんなときに一番やってはいけないことは、居住者ではない人間が部屋にあるモノを勝手に「ゴミだ」と決めつけてしまうことだ。

イーブイ
二見文直社長(写真左)と弟の信定さん(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

居住者が“いるモノ”と“いらないモノ”を考えている横で、親族である依頼者が「全部ゴミなので関係なく捨てちゃってください」と無理やり作業を進めようとしたことが何度かあった。その際は決まって口論となり、作業自体が中断になってしまったという。

「第三者からはただのゴミに見えても、住んでいる本人にとってはゴミじゃないんです。一方的に『片付けよう』『綺麗なほうがいい』と意見を押しつければ摩擦が生まれるだけで、相手は心を閉ざしてしまいます」

片付けられない親族を説得するには

自分の身に置き換えてみるとわかる。久しぶりに自分の家を訪れた両親が、「あんたちょっとモノ多いんじゃない? これいらないでしょ」と勝手に部屋のモノを捨て出したらどう思うだろうか。

「なんでそんなこと急に言われなきゃいけないんだ」と反発するはずだ。大事なのは片付けに対する熱量を合わせること。第三者だけが勝手に片付けモードに突入しているのでは、かえって先に進まない。

「僕らの動画を片付けられない人に見せるにしても、『見て、この動画。早くこんなふうに片付けよう』ではダメなんです。まずは、『この業者、いるモノといらないモノを一緒に仕分けしてくれるみたいだよ』と、片付けを意識させるところから始めるんです。

5年や10年、ましてや15年もかけて散らかった部屋に対して、1日や2日で気持ちを切り替えるなんてできるわけがないですから。根気は必要だと思っています」

ゴミ屋敷片付け後
片付け後のゴミ屋敷
片付け終わった玄関の土間と入ってすぐの和室。15年ぶりに床が姿を現した(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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