離れには生活の実態がないので生ゴミはほとんどないが、動物の臭いと気配がした。人がまったく入ってこないので、彼らの住処になっているのだ。「なんかいそうですけど、大体人が入った時点でいなくなるので」とスタッフが絨毯を広げると、ネズミが齧ったのであろう跡が残っていた。
とくに目立ったのはゴキブリの糞だった。キッチン周りは泥を撒いたように至るところが黒ずんでいるが、これらもすべてゴキブリの糞である。引き出しの中も糞だらけで、ゴマ粒のようなゴキブリの卵も無数にある。
ゴキブリが多い物件になると、1000匹を超える大群が一気に部屋の中を飛び回るという。しかし不思議なことに、今回の家ではこれだけの糞があるというのにゴキブリの姿を見ることがほとんどない。
「多いときは冷蔵庫をどかしたら冷蔵庫の形まるまるゴキブリがいることもあります。でもゴキブリって共食いをするので、長年放置されている家だとむしろ数は減るんですよ。クモに食べられていることもありますが、最終的に最強の1匹のゴキブリだけが残ります。黒々としたデカい1匹が……」(二見社長、以下同)
片付けをめぐって親族と揉めてしまったら…
この家の場合、窓を開けっぱなしにしていたことが図らずもゴキブリの繁殖を抑えていた。
「ゴキブリの卵って15度以下だと孵化しないらしいんですね。部屋の温度を一気に下げるために、冬場に窓を開けて換気をすることがかなり大事なんです。食べかけのピザが捨てられている生ゴミだらけの部屋でも、ゴキブリが1匹もいないこともありますから」
片付けられないなりにも、部屋にゴキブリが湧かないようにするための対策はほかにもある。
「引越ししたときに運んだダンボールがそのまま置いてある家って結構あると思うんですけど、組み立てられた状態でも隙間ってあるので、ゴキブリの住処になってしまうんですよ。あとはギフトでもらった石けんをキッチンの下に置いておくと、ゴキブリのエサになってしまいます。ゴキブリは何でも食べるので」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら