15年間、時が止まった部屋
現場は関西地方のとある田舎の一軒家。農家を営んでいた実家は広く、母屋のほかに「離れ」がある。かつては綺麗に整理されていた実家だったが、娘が遠方に住むようになると次第にモノであふれるようになった。もともと片付けが苦手だった母は、そのあふれたモノたちをすべて離れに押し込んだ。
離れの玄関を開け、奥の和室に入ると、ゴミともとれるモノたちが部屋の半分の高さまで積み上げられている。「そのうち片付けないと」と思いつつも、見て見ぬふりを続けて15年。開けっ放しにしていた窓も閉まらなくなり、人が一切立ち入らない「時が止まった部屋」になっていた。
実家の状況に困る子どものケースは多いと、二見社長が話す。
「子どもが家を出て親も歳をとると、だんだん家の中の使う場所って限られてくるんですよ。高齢化とともに足腰も悪くなるので、一軒家だったら2階に上がることはなくなってきます。4LDKの家にひとりで住んでいるとしたら、ほかの3つの部屋が散らかっていても生活には困らないし、もう視界からシャットアウトしちゃうんですよ」
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