【シミ】薬が効く肝斑、レーザー治療がNGな理由 紫外線のほかにもある、悪化させる行動とは

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シミ全体の3割を占める「肝斑」のメカニズムと治療法について紹介します(写真:shironagasukujira/PIXTA)
顔などにいつの間にかできてしまう「シミ」。一口にシミと言っても、実は症状や原因によっていくつかの種類がある。例えば、30~40代の女性で目のまわりや両頬に左右対称のシミが広がっていたなら、それは肝斑(かんぱん)かもしれない。
他人からはほとんどわからない程度のシミであってもひどく気になってしまう人もいるように、シミへの思いは千差万別だ。皮膚科専門医で近畿大学病院皮膚科非常勤講師の山本晴代医師に、肝斑を中心にシミの原因やメカニズム、治療法などについて聞いた。

そもそもシミとはなんだろうか。

一般的には“シミ=メラニンが肌に沈着した状態”とされる。メラニンとは、表皮と真皮の間の基底層に存在する色素細胞(メラノサイト)が作る色素のこと。紫外線や摩擦など、肌にダメージを受けたときに作られる。本来、紫外線による肌の傷害から肌を守る役割を担っており、人間にとってなくてはならない大切なものだ。

シミの半数以上は老人性色素斑

「シミにもさまざまな種類がありますが、半数以上は“老人性色素斑”です。境界がはっきりしていて、丸く茶色っぽくなっているのが特徴で、男女問わず40代以降なら誰でもできます。顔に限らず、手の甲や前腕など、紫外線を浴びやすい部位にできます」と山本医師。

老人性色素斑の主な原因は、過剰に産生されたメラニンが、表皮内に蓄積してしまうことだ。

紫外線などの刺激によって表皮の一番下の基底層で作られたメラニンは、通常は肌のターンオーバー(新陳代謝)により表皮上部へと押し上げられて、やがて排出される。ところが、加齢などでターンオーバーの周期が長くなると、メラニンの排出が遅れる。その結果、メラニンが表皮に蓄積してシミになるというわけだ。

老人性色素斑の次に多いのが“肝斑”で、シミ全体の約3割にのぼる。

肝斑は30代以降の女性の顔にできやすいシミで、境界がはっきりしない淡い褐色の色素沈着が左右対称にできるのが特徴だ。女性ホルモンとの関連が指摘されていて、妊娠やピル(経口避妊薬)の内服をきっかけに発症することも少なくない。

実際、多くの女性を悩ませているのは肝斑だ。顔に突如、出現するため、気になりやすいということもあるだろう。

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