少し前にアップルのMVNOサービス『Apple SIM』が話題になったが、やっぱりグーグルもMVNO事業に進出してきた模様。『GoogleがMVNO事業参入か、年内サービス開始との情報』(IT pro)とあるが、アップルとグーグルが本格的にMVNO事業に参入すれば、キャリアの「土管化」はさらに進む。それは日本市場だけでなく、世界中でも言えること。キャリアの地位低下が決定的になる今、グーグルはMVNO事業に抜かりなく進出してきたことになる。
抜かりないのは、『グーグルがSpaceXのネット事業へ10億ドルの投資決定』(GIZMODO)という投資も同様。インターネットサービスの“次の戦場”が宇宙だと把握しているグーグルは、10億ドルもの出資を行った。巨大企業だからこそ可能になる投資額であるが、意思決定の柔軟性は巨大企業とは思えないレベルである。
IoT分野で先手
同じことは『Googleが検索アルゴリズムを変更、サイトのモバイル対応度をより重視』(INTERNET Watch)というニュースにも言える。SEO対策などもあり、検索アルゴリズムは適度に変えていかないといけないが、その動きは素早い。加えて、世界的にモバイルの需要が増えていることを受けて、モバイル対応度を重視する決定を下すのも迅速であった。
モバイル経由でのネット接続は世界中で増えているが、それにともないWi-Fiの需要も高くなっている。最近では飛行機の中でもWi-Fiサービスを利用できるところが増えているが、『Google Flight』でフライト別のWi-Fiサービスの有無を検索できるようになったという。『旅行の前にチェックすべし。Google Flightがもっと便利に』(GIZMODO)。
このサービスによってグーグルが直接利益を得ることはできないが、「広告収入」というグーグルのビジネスモデルを考えてみれば納得。インターネットに接続できれば、検索サービスなどに繋がり、間接的に自社の利益になる。Google Flightというサービスを提供しながらも、同時にインフラを提供していることになる。
IT分野ではIoT(モノのインターネット)が注目を集めているが、グーグルはIoT分野で先手を打っている。『特許から見るGoogleの「スマートホーム」構想:スマートドアノブ、スイッチ等をいかに活用するか』(THE BRIDGE)というニュースがあったが、『Nest』という企業を買収していたからだ。
スマートドアノブを活用するとのことだが、ドアノブは意外に重要なポイント。部屋の出入りには必ず触るものであり、照明や空調、そのほかの家電製品と相性もいい。グーグルというよりも、Nestが先陣を切っていた分野ではあるが、買収した今、IoTを強力に推し進めていくだろう。
※ 続きの「グーグルの誤算」「グーグルの弱点」は、週刊『夏野総研』のブロマガでご覧ください!
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