2月の臨時株主総会でオアシスが提案した候補者に対し、取締役候補を辞退させるような妨害行為がとられた可能性も指摘されている。これらの動きから、内山体制下にあったフジテックのガバナンスには問題があったと考えている株主は少なくないはずだ。
オアシスのセス氏は内山体制に比べると「大きくガバナンスは改善した」と評価している。対する内山氏は一連の疑惑を否定したうえで、「オアシスの要求がすべて、そしてそれのみが達成される事態となっている」と危機感をあらわにする。
内山氏の舌鋒は鋭くなる一方だ。オアシスの意向通りに経営が進んだ場合、「会社を売却するなどして、売り抜けることが真の目的と判断せざるを得ない」と、フジテックが身売りされる可能性をちらつかせ株主を説得している。
フジテックのエレベーターは官公庁、駅、空港などの重要施設やインフラにも多数設置されており、その数はおよそ1000台に上る。そしてこれらは遠隔操作が可能だ。オアシスが投資を回収する際、海外企業にフジテックを売却すれば、国のインフラを握られてしまうと内山氏は主張する。
現社長も再任が危うい?
次の焦点は、会社側が6月の株主総会に諮る議案をどのような内容で出してくるかだ。セス氏は「今現在は指名委員会も機能している。彼らが新しい取締役を推薦していくし、そうしてほしい」と、現在の社外取締役たちへの信頼を強調した。
一方で、内山氏の後任として社長に就いた岡田隆夫氏を筆頭とする社内取締役3人については、「新しいリーダーを迎える時が来ている。不適切な行動にも関与してきたため、変わっていただくべきだ」とコメント。フジテックが再任案を出してきたら、反対票を投じる意向を示している。
セス氏は、フジテックについて「2~3年で当期純利益率を2倍にできるはず」という。ただし、いつまでも経営権をめぐる争いが続いていては、事業運営は混乱するばかりだろう。フジテックは総会で進むべき方向を定めることができるだろうか。
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