昇降機フジテックがモノ言う株主に狙われる訳

過去最高益更新でも、日本の商慣習に疑問符

エレベーターやエスカレーターなど昇降機専業の大手メーカー・フジテックに「モノ言う株主」が目をつけた(撮影:今井康一)

「定時株主総会の結果が、フジテックの経営陣の無気力状態を払拭し、同社の将来を正しい方向に導く迅速な措置を促す第一歩となることを期待しています」

「モノ言う株主」として知られるオアシス・マネジメントは6月29日、このような声明を出した。

オアシスに狙われたのは、エレベーターやエスカレーターを手掛ける東証1部上場の昇降機専業大手メーカー・フジテック。香港に拠点を置くオアシスはフジテックに対し、自己株式の消却を株主総会で決議できるように定款を変更することと、発行済み株式数の9.9%相当に達する自己株式の消却を求めた。

エレベーター「2020年問題」も

結果は賛成が33%にとどまった。株主提案は否決されたが、オアシスは上位10位までに入らない少数株主であり、異例の賛成率ともいえる。

オアシスがフジテックに求めている改革の1つがアフターサービスの強化だ。世界の昇降機市場は中国や南アジアなどで旺盛な需要が続く一方、欧米市場は成熟しつつある。その代わりに保守・点検といったメンテナンスや、過去に設置した機体のリニューアルの需要が拡大している。

昇降機ビジネスの中心は、設置場所が百貨店など一部の大型施設に限られるエスカレーターではなく、ある程度の高さの建物のほとんどに設置されるエレベーターだ。

エレベーターの保守点検は年1回の法定検査が義務付けられているほか、月1回の任意点検も推奨されている。加えて、1990年代に建設されたビルの多くがエレベーターの更新期を迎える「2020年問題」も起きており、またとないアフターマーケットの需要拡大期を迎えている。

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