フジテックvsオアシス 株主総会直前の大バトル 社外取締役提案、異例の修正4回の裏側

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エスカレーター
元社長の処遇をめぐり株主との対立が続いている(写真:PIXTA)

2月24日に開催されるエレベーター・エスカレーター大手フジテックの臨時株主総会。その開催を目前に控え、モノ言う株主と会社側のバトルが熱を帯びている。

臨時総会はフジテック株の17.26%を保有する筆頭株主である香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが招集を請求した。創業家出身である内山高一元社長の処遇をはじめとしたガバナンスの問題を指摘し、現在フジテックの社外取締役を務めている6人をすべて解任し、自らが提案する6人の新たな社外取締役を選任することを求めている(フジテック、社外取締役の全員解任めぐり大論争)。

一方、会社側はこの議案に反対意見を表明、現在の社外取締役6人を維持した上で新たに2人の社外取締役を追加することを提案している。

オアシスのセス・フィッシャーCIO(最高投資責任者)は招集を請求した当初、「40社の機関投資家がわれわれに賛同する姿勢をとっている。臨時株主総会の勝算は高い」と自信をのぞかせていた。しかし、その後事態は急展開を見せている。

社外取締役候補が辞退

注目すべきは、オアシスが相次いで提案を修正したことだ。その数なんと4回。修正を経る中で、社外取締役の候補者であった深田しおり氏と金子裕子氏の2人が辞退し、新たに嶋田亜子氏が候補に加えられた。提案の根幹が変わってしまうような事態だ。

会社側は度重なる修正に対して「株主提案が真摯に当社の企業価値向上を目的として検討されたものとは到底思えません」と不信感を示している。一方、オアシスにも言い分はあるようだ。セス氏は「候補に対して、(社外取締役候補を辞退するよう)脅しがあった」と反論している。

【2023年2月21日16時00分追記:初出時、セス氏の発言に誤りがありましたので、上記のように修正しました】

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