「人とタスク」を区別できない管理職が部下を潰す 職場の心理的安全性を高める「一番重要な鉄則」

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また、はっきり物申す人たちも多いので、腑に落ちないモヤモヤや理不尽な思いを胸に抱えることも少ないです。嫌なことを「嫌だ」と言える環境がそこにはあります。

さらに、働き方の自由度も総じて高いことから、実はどちらかといえば、一人ひとりを尊重した「人にやさしい」職場とも言えるのです。

一方で日本の企業の多くは、たとえ与えられた成果目標を達成できなくても、外資系企業のように解雇される心配はありません。

しかし、職責や仕事の範囲といったルールが曖昧であるために、何をすれば評価されるのかがわからなかったり、サービス残業をする必要に迫られたりもするようです。また、社員同士の意見の対立は少ないかもしれませんが、たとえ大事な指摘でも言いにくければハッキリと言わない傾向があります。

働き方にしても、時間や服装の自由度は低めで、心理的安全性の観点からはむしろ、その人らしく働ける「人にやさしい」職場とは言えないかもしれません。どちらかといえば「人に厳しく、結果にやさしい」と言えるでしょう。

日本企業が「人に厳しく、結果にも厳しく」なる日

さて「人にやさしく、結果に厳しい」外資系企業と、「人に厳しく、結果にやさしい」日本企業、どちらがよりのびのびと自分らしく働ける職場でしょうか。これは「人それぞれ」としか言えません。外資系企業のスタイルに合っている人もいるし、日本企業のスタイルに合っている人もいるからです。

ただし、心理的安全性の観点から言うと、ルールが曖昧で、反対意見を自由に述べられない職場では、本当の意味で自分らしく働くことは難しいと思います。また今後、日本企業でも成果重視の傾向が強まると、「人に厳しく、結果にも厳しい」職場になる可能性があることも覚えておきましょう。

ピョートル・フェリクス・グジバチ プロノイア・グループ株式会社代表取締役、株式会社TimeLeap取締役、連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者

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​Piotr Feliks Grzywacz

ポーランド出身。モルガン・スタンレーを経て、Google Japanでアジアパシフィックにおける人材育成と組織改革、リーダーシップ開発などの分野で活躍。2015年に独立し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立。2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。ベストセラー『ニューエリート』(大和書房)、『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』(かんき出版)など著書多数。

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