「人とタスク」を区別できない管理職が部下を潰す 職場の心理的安全性を高める「一番重要な鉄則」

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人には承認欲求があり、承認されることで「自分には居場所がある」と感じたい。これが安全を求める人間の根本的な願いなのです。

「人にやさしく」は、言い換えると、相手のことを尊重し、「人として人を見る」「人として人に接する」ということです。人はそれぞれ異なる意思や思い、考えを持っています。それらを認め、尊重すること。メンバーの根本的な願いを受け止め、彼らが自分らしく、安全を感じながら仕事ができる環境をつくるのがマネジャーの務めです。厳しく指摘すべき事柄は何かを見極めて、相手の人格を否定することなく、「人として接する」ことが大切なのです。

そして普段から人にやさしく接していればこそ、結果に関しては厳しいことも言えます。つまり、心理的安全性が確保されているから、結果に厳しくしても人間関係が壊れないのです。

日系vs.外資、心理的安全性が高いのはどっち?

「結果に厳しい」と聞いて多くの日本のビジネスパーソンの脳裏に浮かぶのは、外資系企業でしょう。実際にそのとおりで、外資系企業がパフォーマンスの低い社員を解雇したという話は、僕もよく耳にします。

成績が低迷している社員は改善プランを求められ、それでもパフォーマンスの向上が見られなければ、理由が何であれアウトです。特に、結果が厳しく求められる金融業界では、下位10%の社員が定期的に解雇されるところもあるくらい、結果に対してはシビアです(ただし、雇用の流動性が高いなど、日本とは異なる雇用環境であることにも留意が必要です)。また、外資系企業では社員同士の意見の対立も日常茶飯事です。

そんなハードな一面を見て「日本の企業より心理的安全性が低そうな職場だ」と考える日本人もいるようですが、はたしてそうでしょうか。

たとえば外資系企業では役割分担や評価基準など仕事上のルールが明確なので、与えられた成果目標さえ達成すれば、残業をする必要も、余計な付き合いをする必要も一切ありません。

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