「年金寿命」をのばす!意外と知らない8つの秘策 少しでも多くお得に!FPに聞いた年金を増やす方法
秘策8『増加中!?事実婚ももらえる!遺族年金をチェック』
平均寿命からも明らかなように、夫に先立たれる妻は多い。そこで気になるのが遺族年金だ。
「遺族年金は、夫が受け取るはずだった老齢厚生年金の4分の3が支給されます。ただ、これは自分の年金とダブルで受給できるわけではありません。
計算式が少し複雑なのですが、例えば夫が16万円、妻が8万円の年金を受給している場合、16×3/4=12万円が基準となります。妻の年金8万円に遺族年金4万円が足され、受け取れるのは12万円。実際の支給額の少なさにショックを受ける人も多い」と菅野さんは話す。
近年増えているのが、熟年離婚を経て再婚を決めたが、遺産でもめることを避けるため、事実婚としているケースの遺族年金のもらい忘れだ。
「事実婚でも夫婦であることを証明できれば、支給されます。諦めずに手続きを」
夫婦として認められるのはある程度の同居期間があること。また、役所に届ければ、住民票の続柄を「未届の夫・妻」と記載してもらえる。いざというときに備え、事実婚でも届け出をし、パートナーの死後は申請を。
「しかし、この場合でも計算式は先ほどと同じで、自分の年金に加算されるわけではありませんので注意を」
遺族年金はもちろん助けにはなるが、丸々増えるわけではない。やはり自分の年金の増額や、老後資金の準備が重要なのだ。
□夫より年金受給額が少ない
□亡くなった事実婚の夫がいる
□居住を共にしていた恋人が亡くなった
「長く働き、長く生きた人が得するのが年金。必要な手続きを確認しつつ、健康で病気をしないのがいちばんの秘策でもあります」(菅野さん)
社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー、1級FP技能士。'02年にすがのみわこコンサルティングオフィスを開業し、多くの年金相談に応えるほか、企業顧問も務める。『年金1年生』(主婦の友社)など著書多数。
(取材・文/仲川僚子)
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