いわきの「一番店」仕切るママの超旺盛な事業意欲 事業を手広く展開することで地元の雇用に貢献
笹原さんは2000年の初めてのスナック開業以来、カフェ、ネイルサロン、洋菓子店、そしてポータルサイトなどさまざまな事業を手がけてきたが、地元に雇用を産み出す旺盛な事業意欲には感服するばかりである。現在は、自らのグループ法人のもとで先述の華姫に加え、同じ田町で「LOVE RING」「Sweet Home」などのスナック、浪江町で「焼酎バーひかり家」、そしてキッチンカーの運営をしている。
インスタのフォロワーは9万人を超える
笹原さんは地元ではちょっとした有名人で、Instagramのフォロワーが9万人半ばに達しており、いわきで取材をしていて笹原さんの話になると、よくその話題になる。しかし、彼女が地元で知られているのはそれだけでなく、地元でボランティアやまちづくりなどの社会活動に積極的に汗を流す姿によってでもある。
26歳のときに地元のライオンズクラブ(2014年に会長)、28歳のときには地元のいわきJC(青年会議所)に入ったが、そこから地元での縁もさらに広がっていった。2011年の震災以降、近隣町村から多くの人がいわき市に避難してきていたが、大きな被害を受けた浪江JCのメンバーとの交流から生まれたのが先述の浪江町の焼酎バーひかり家である。
浪江町は震災後、原発事故の影響で2017年3月末まで避難指示が出ていたが、解除後も人は戻らず「せめて、お店があればもう少し人も戻るのでは」と浪江の仲間たちに背中を押され飲食業に詳しい笹原さんが一肌脱いだのだった。7年間人が住まうことを許されなかった町にようやく店の灯をともすにあたって、笹原さんは自身のInstagramに次のように書いている。
「多くの方々が浪江町の復興を目指し力を尽くしています。その想いに触れる機会があり、必要性を感じて、今回の出店を決心するにいたりました。いま現在の浪江町の出店には課題や困難もたくさんあります。しかし『誰かのためになること』は必ず仕事になります……店名のように町を明るくするひかりになっていけたらいいな」
これまで取り上げた夜の街の経営者の皆さんもそうなのだが、仕事で地方に行くと笹原さんのように手広く商売を構えて雇用の場を産み出し、地方経済に貢献している人たちと会うことが少なからずある。私は彼らに会って話をするほどにいろいろなことを考え込まされてしまうのである。
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