普段は1日ですべての片づけを終えることが多いが、今回はあまりにもゴミの量が多かったため、2回に分けて作業を行うという。初日はまず生活ゴミを搬出してスペースを確保する。そして2回目の作業日までに、姉が残った物から遺品としてとっておく物を選んだ後で、部屋を空にする。
ゴミ屋敷の住人は人一倍几帳面な性格だった
亡くなった弟はこの家で両親と暮らしていた。玄関の左手にある洋室には父が暮らしていたが、だいぶ前に他界したという。和室で暮らしていた母も10年前に亡くなり、そこから弟が1人で暮らすようになった。姉が最後に弟に会ったのも10年前だった。多くは語らなかったが、母が亡くなったときに顔を合わせたのだろう。弟について姉が話す。
「弟は几帳面な性格でした。片付けられないというよりは、物をとっておきたかったのだと思います。この家の状態を見たときは、10年も経っているのだから生ゴミもひどいだろうと思っていました」
ゴミ屋敷になっていたとはいえ、たしかにその几帳面さがところどころに見てとれる。壁や天井に括りつけられたポリ袋を開けると、中からは綺麗に洗われたトレーが出てきた。ほかのポリ袋の中身も同じだった。小銭はティッシュペーパーに包んだうえで鞄にしまい込まれている。自分なりのルールがいくつもあったようだ。
それほど几帳面な性格の家主だったのに、なぜゴミ屋敷になってしまったのか。
「弟さんはおそらく引きこもり状態にあったのでしょう。部屋を片付けていて思いましたが、あまりにも孤独でした」(二見社長)
食料はなんとか買いに行けていたようだがゴミを捨てに外に出ることができず、洗って溜めておくことしかできなかったのかもしれない。
そんな状態にある弟に、姉はなぜ気づいてあげられなかったのだろうか。このゴミ屋敷の片付けの様子を配信した動画のコメント欄にも、「10年間も音信不通の状態を放置していた姉にも非がある」といった旨の意見が見られた。それに対し二見社長は憤る。
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