ホムンクルスの図以外にも、手書きが脳を活性化させるという科学的な根拠は数多く存在します。
「手書き」VS「デジタル」で「考える力」に差
自分の指先を使う「手書き」は、指先を繊細に動かす必要があるので、脳の「前頭前野」を活性化させ、記憶にも残りやすくなることがわかった。一方、デジタルツールを使った場合、脳の働きは活性化しないという結果が出た。
手書きとタイピングの双方の状態で脳の働きをMRIスキャンしたところ、手書きをしている人の脳でのみ、言語処理に関わる「ブローカ野」が活性化することが明らかになった。
1つ目の研究では、手書き組とパソコン組に、それぞれ15分の講演を見せてメモさせ、理解度をテストした。事実関係に関する質問では両者に差はなかったが、考察が必要な概念的な質問では手書き組が優れていた。
2つ目の研究では、パソコン組に自分の言葉でメモをするよう指示して、両者に同様の実験を行うと、パソコン組のテスト結果はより下がった。
3つ目の研究では、両者にメモを見直し試験準備をするよう指示し、1週間後に同様の実験を行うと、手書き組の成績のほうが優った。
これらの理由については、「パソコンへのメモでは『聞いた言葉のタイピングに追われて、内容を理解したり、脳にプログラミングをする』という記録行為の利点が、なくなるからではないか」と推察されています。
ほかにも、「手書きのほうが、タイピングよりも自分の考えをうまく表現できる」というアメリカ・ネブラスカ大学リンカーン校のケネス・キウラ氏の発言があります。
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