以前の記事『「1年で日本一」44歳が人生逆転"忘れないメモ術"』でも紹介しているA4・1枚記憶法の大きな特徴は、基本的に手書きにこだわる点です。
テキストやイラストを、パソコンやスマホで作成するのではなく、あなたの手で書いて(描いて)ほしいのです。
その作業自体を通して、脳にアプローチをかけ、活性化を促せるからです。結果、感情や思考が引き出されたり、整理されたり、理解が進んだり、覚えやすくなったりします。
それらの効果は、キーボード入力(フリック入力)よりも手書きのほうが顕著なのです。
ではいったいなぜ、手書きでは多くの効能が得られるのでしょうか。
答えは、指先の豊富な神経細胞にあります。指を多く使えば使うほど、指先の神経細胞と脳が連動し、脳の神経細胞を多く働かせることができるからです。
「手と唇」の情報が、脳を最も刺激する
「ホムンクルスの図」というものがあります。
ホムンクルスの図とは、カナダの脳神経外科医、ワイルダー・ペンフィールド氏が体のそれぞれの部分を支配する「脳の神経細胞の量」を「体の表面積比」で表わしたもの。
「図の中で大きく描かれている部分ほど、体の他の部分より、脳が多くを使っている」と解釈してください。
具体的に言うと、手や唇が大きいのとは対照的に、胴体や足や腕は小さく描かれています。
脳は全身の部位をモニターしていますが、その量は各部位が均等ではなく、手や唇に大きく偏っているというわけです。
大脳生理学の権威、久保田競氏(京都大学名誉教授)も著作『手と脳』(紀伊國屋書店)の中で「動物が高等になるほど手と口に対応する領域が広くなる」と指摘をしています。
ホムンクルスの図を三次元化(立体化)したのが、「ホムンクルス(脳の中のこびと)」の模型です。
この模型の実物は、ロンドン自然史博物館に展示されています。手と唇の大きさがかなり大きく作られています。
これは「大きく表現されている手や唇ほど、体の他の部分より、脳が多くを使っている」という意味です。
この事実を言い換えると、「手や唇を多く使うことが脳の活性化につながる」ということになります。体の各部位と脳は、相互にフィードバックをし合っているものだからです。
したがってA4・1枚記憶法でも、脳をより活性化させてくれる「手書き」を推奨しているというわけです。
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