「運動してダイエット」が見落とす"不都合な真実" その反動で食欲が増し太ってしまうこともある

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3食の具体的な中身まではここでは紹介できませんが、鍵を握るのが、タンパク質・糖質・脂質の三大栄養素のとり方です。まずタンパク質は筋肉を落ちにくくするために欠かせません。ただ、多すぎると腸内環境が悪くなるので、1食20~30gを目安にしているとのこと。

糖質はとりすぎると脂肪としてたくわえられる一方で、エネルギー源の糖質が補給されなければ、体を動かすパワーがなくなり、代謝が落ちてしまう。「糖質摂取のコツは、いつとるかのタイミング」と、朝食と昼食では糖質をしっかりとり、夕食ではカットするプランになっています。

最後の脂質は「質がすべて」と石本さん。ムダな脂質は除いてDHA・EPAなどの良質な脂質をとることが大切といいます。

本能に反しているから続かない

『医者が教えるダイエット 最強の教科書』(ダイヤモンド社)の著者、医師の牧田善二先生が正しいダイエットの一歩目として挙げるのは「1日に摂取している糖質量を知る」こと。実際、現代社会では糖質過多になりやすいもの。その理由を、「脳が糖質中毒に冒されているから」と次のように説明します。

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私たちはエネルギー源として糖質を使っているので、生まれながらにして「糖質を摂取するように」プログラミングされている。

だから糖質をとらないでいると血糖値が下がってイライラし、猛烈に糖質を食べたくなる。そして食べれば脳の「報酬系」が働き、ドーパミンが出て幸せを感じる。そうやって人類は命をつないできたものの、現代社会は、いくらでも糖質をとれる状態にあり、しかもほかの食品に比べて安い。結果、糖質中毒に陥りやすい条件がそろってしまっている。

この糖質中毒から脱してリバウンドしない体を手に入れるにはどうしたらいいのか。そのコツがまとめられています。

そもそも食べることは人間の本能。一方で、食べる量を減らすことは本能に入っていないので、ダイエットはなかなか続かないのです。「やせたい」という願望は今でこそ多くの人が共通して抱いている思いですが、ここ数十年の間に後天的に考えるようになった、人間の本能に反したこと。

だからこそ「続けにくいんだ」と理解したうえで、自分にできそうなこと、続けられそうなことからやってみましょう。

梶本 修身 東京疲労・睡眠クリニック 院長

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かじもと おさみ / Osami Kajimoto

医師・医学博士。大阪大学大学院医学研究科博士課程修了。2003年より産学官連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。大阪市立大学大学院医学研究科生体情報解析学講座教授、大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授などを歴任。ニンテンドーDS『アタマスキャン』を開発し、「脳年齢」ブームを起こす。『ホンマでっか⁉TV』『めざましテレビ』『羽鳥慎一モーニングショー』『ひるおび』『news zero』『あさイチ』『ニュースウオッチ9』など、テレビやラジオにも数多く出演。著書に『すべての疲労は脳が原因』シリーズ(集英社新書)、『疲労回復の名医が教える 誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』(アスコム)、『疲労回復の専門医が選ぶ健康本ベストセラー100冊「 すごい回復」を1冊にまとめた本』(ワニブックス)、『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』(日本文芸社)ほか多数。

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