「人と話すのが苦手」でも何とかなる"1対1会話術" 「相談事」を作れば話すきっかけができやすい

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でも、そんなわたしも、ある経験をきっかけに「自分は1対1なら会話ができるんだ」と気づきました。それは、就職活動の面接のときのこと。

集団面接では、緊張のあまり言いたいことが1つも言えなかったのに対して、1対1の面接では、まだマシな会話ができたのです。話し相手が目の前の面接官1人だけなので、「この人の話を聞けばいいんだ」「この人が自分の話を聞いてくれるんだ」と、安心感を持って会話をすることができました。

会話が苦手な人のなかには、誰かとサシで会うほうが緊張するという人もいるかもしれません。でも、わたしはどちらかというと「Aさんの話を聞いて、その話題を知らないBさんのために補足して、Cさんが言った否定的な発言をフォローして……」と、マルチタスクで会話をするほうがずっと難しいんじゃないかと思っています。

一方で、サシで会うことはシングルタスク。会話の間は「その人だけ」に集中していればいいので、じつはラクなのです。だからこそ、わたしはできるだけサシで話すようにしています。

会話が苦手な人ほど、複数人の集まりに行くよりも、1対1でじっくり話す機会をつくるんです。

大人数の会話は薄っぺらい?

また、複数人でする会話とサシでする会話の内容は、まったく異なるものだと思っています。複数人で話すときは、「全員がわかるような話」「盛り上がるような話」など、普遍的なテーマの話になりがちです。

ぶっちゃけて言ってしまうと、「ペラッペラな話」しかしないんだわ!!

だから、面白くなくても笑わなきゃいけないような状況になっていくし、テーマもコロコロ変わっていくので、記憶に残りづらい。おまけに、「複数人」という緊張シチュエーションも相まってお酒を呑みすぎてしまうので、記憶もクソもありません。

その証拠に、複数人での集まりやイベントで話した話題のことを、わたしはあまり覚えていないです。だいたい「なんの話をしたっけな?」と思いながら帰路につきます。

一方で、サシで話すと、おのずと深いテーマになっていくと感じています。以前、会社の飲み会ではいつもふざけている同僚と、初めてサシでごはんを食べに行ったとき、彼はものすごく真面目な話をしてくれました。

本当に大切な話って、公にはしないもの。みんなちゃんと状況に合わせて話題を選んで話しているんです。だから、2人だからこそ聞けることがたくさんあります。

まずは、目の前のたった1人に集中できる状況をつくる。それが「聞く」。初心者のやるべき第一歩です。

余談ですが、わたしがインタビューをする現場にはインタビュー相手のほかに、会社の人やマネージャー、編集長など、第三者がいる場合もあります。この人数が増えれば増えるほど、わたしだけではなく、インタビュー相手にも緊張が募るため、少人数のほうが自己開示してもらえると考えています。

インタビューの場合は仕事である以上仕方ないので、複数人が同席するときは、なるべくインタビュー相手だけを見るようにして、まわりにいる人たちの存在をいったん忘れるようにしています。インタビューも日常会話も、うまくいくのは1対1で対話しているからなんです。

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