「人と話すのが苦手」でも何とかなる"1対1会話術" 「相談事」を作れば話すきっかけができやすい

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とはいえ、「サシで会いましょう!」と相手を誘うことに抵抗を感じる人もいるはず。会話が苦手な人にとっては、「今度2人でご飯行かない?」と誘うだけでも、大きなハードルに感じるでしょう。

正直、誘われた側も「え、急に? なんで?」と感じるかもしれません。この、「なんで?」という違和感を与えずに誘うことが、サシで話す機会をつくるときのポイントになります。

そこで、わたしはサシで会うときには「軽い相談」をセットで持っていくようにしています。「相談」ってちょっと重ためなものだったり、深刻なものだったりするイメージがありますが、べつにしょぼい内容でもいいんです。

わたしの場合は「今度京都に行くんだけど、オススメのごはんを教えて」とか、「最近髪の毛がパサパサなんだけど、ヘアケアなにしてる?」とか、一見「調べれば出てきそう」なことをあえて相手にぶつけるようにしています。

というのも、人は頼られるのが好きだから。

普段からわたしが使っている持ち物について聞いてくれたり、「どうでもいい話なんだけどさ!」と、ささいなことでも相談してくれたりする友人がいます。彼女がわたしの意見を参考にしてくれている様子を見ていて、「頼られるというのはうれしいことなんだなぁ」と実感するようになったんです。

たしかに、自分の力で調べればわかることなのかもしれない。でも、あえてそれを相手に聞いてみることで、会話のきっかけになるし、頼られた相手はうれしく思ってくれる。それに、次回の会話の話題にもなる……という、一石三鳥なことが起こるのです。

だから、自分のなかである程度リサーチはしておきつつも、悩んでいることや軽く相談したいことをリストアップしておいて、いつでも誰かに相談を持ちかけられるような状態にしています。

好感度が上がる会話術

また、相談をしてアドバイスをもらったら、感謝の気持ちを行動で示すのもとても重要! 本をオススメされたら、その場で買ってみる。教えてくれた場所に訪れたら、写真を撮って送ってみる。アドバイスに沿って動いたなら、その結果を報告してみる。

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わたしの友人も、「オススメしてくれたコスメを買ったよ!」と見せてくれたり、本の感想を教えてくれたりします。

「オススメした結果」まで報告してもらえると、「教えてよかったな」「また教えたいな」という気持ちになりますし、相手のこともどんどん好きになっていくんです。

自分が「いい」と思ったことを素直に受け入れてくれて、「いい」と思ってくれる。これだけで好感度は上がるし、「行動した結果を伝えたい!」と、次回会うための口実となり、定期的にその人と会話をする習慣ができます。

このように、どちらかが相談・報告したいことがあると、近況報告や相談を口実に、話す機会をつくれるようになります。サシで話すきっかけをつくるためにも、普段から相談や報告を軽いノリでしておくといいでしょう。

いしかわ ゆき ライター

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いしかわ ゆき / Yuki Ishikawa

早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系卒。Webメディア「新R25」編集部を経て2019年にライターとして独立。現在は取材やコラムを中心に執筆するかたわら、声優やグラフィックレコーダーとしても活動中。ADHDとHSPを抱えながら、生きづらい世界をいい感じに泳ぐために発信している。著書に『書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』(クロスメディア・パブリッシング)と『ポンコツなわたしで、生きていく。〜ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす〜』(技術評論社)がある。

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