ごみを平気で出す人が知らない埋立地の残り年数 最終処分場「残余年数」首都圏30.1年、近畿圏19.6年

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なお、筆者が3月まで居住していた東京都板橋区の場合は、23区内で発生する廃棄物の処理残渣を処分する東京港内の中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場に埋め立てている。

廃棄物等のさらなる減量化や有効利用に積極的に努めることで、今後50年以上の埋め立てが可能と推計されている。しかし、東京港内にはこれ以上埋め立てスペースが確保できないため、新海面処分場が最後の処分場となっている。

東京都の最終処分場(出所:東京都港湾局港湾整備部計画課発行のパンフレット「新海面処分場」、2022年)

最終処分場の設置の難しさ

残余年数を増やすために新たに最終処分場を建設しようにも、迷惑施設のひとつとも言われる最終処分場は簡単には作れない。

第1は、土地や水面の確保である。埋め立て期間約15年を想定した十分な広さが求められるが、これを見つけるのは難しい。とりわけ都心部の自治体は自らの管轄区域に最終処分地を用意できない。ビルが建ち並ぶ東京都千代田区を見れば一目瞭然である。

第2は、仮に適切な土地が見つかったとしても、その周辺住人との合意を形成するのは難しい。焼却残渣等の搬入のために、多くの車両が行き来して静かな生活が台無しになるケースが予測されるため反対運動が起こりやすい。そうなれば最終処分場の建設は見合わされる場合もある。

第3は、環境への影響である。埋め立て地に降った雨は廃棄物の有害成分を溶出した浸出水となる。これを垂れ流しにしてしまうと地下水や河川や生態系に影響が生じ、私たちの飲み水や食物に影響が及んでしまう。よって環境への影響が少なく、しっかりとコントロールできる場所を見つける必要がある。

このような制約から、新たに最終処分場を建設するのは難しい。最終処分場の展望はまったくと言っていいほど明るくはない。

新たな最終処分場が確保できないのであれば、それを延命化させていくしかない。その方策は当たり前であるが、最終処分場内の受け入れ容量を増やすか、残渣の搬入量を減らすしかない。とりわけ残渣の搬入量を減らす方策として採られているのが、可燃ごみの焼却残渣(灰)の資源化である。これには次の3つの方法がある。

第1はセメントの原料化である。清掃工場で生まれる焼却灰をセメント工場に運搬し、原料の1つである粘土の代替原料として資源化していく。これについては、東京都の多摩地域の25市1町の自治体で構成されている東京たま広域資源循環組合の二ツ塚最終処分場内にエコセメント化施設を設置し、受け入れた灰をもとにエコセメントの製造を行っている事例がある。

二ツ塚最終処分場内のエコセメント化施設(写真:東京たま広域資源循環組合のHP)
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