外資へ転職・大幅年収UPは「無理」と思う人の盲点 エンジニアの「キャリア不満」の解消法とは?

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──サカモトさんの元には、エンジニアたちからどんな相談が寄せられていますか?

SIerやSESなどクライアント向けにITサービスを提供するような企業で働いている方から「これからのキャリアをどうするべきか」という相談を受けることが多いです。

例えば、「今の会社の開発スタイルが古くて不安」だという相談もあれば、「長時間労働で疲弊している」という声も寄せられます。

Web系企業で働くエンジニアからすると意外かもしれませんが、老舗・中小規模のSIerやSESだと、ブラック企業ってまだまだあるんですよ。

以前、僕が相談に応じた方の中で「残業時間だけで月に百何十時間も働いている」とおっしゃっていた方がいたので驚きました。

転職したい企業やネクストアクションを決める

──ブラックな環境にいてキャリアに悩んでいるエンジニアに対しては、どんな提案をしているんですか?

各自の状況にもよりますし、本人が何を望むか次第なんですが、相談者の方が「技術的にも働く環境的にももっとまともな会社に行きたい」ということであれば、まずは転職したい企業を具体的にイメージするところから始めてくださいとお伝えします。

そして、そこに向かうためのロードマップをつくり、この相談が終わった後のネクストアクションを具体的に決める

話はしたけど次にやることがわからないまま、相談者の方がモヤモヤして終わらないようにするのが僕なりのポリシーです。

あとは、超有名企業じゃなくても、世の中には技術的にまともな会社はたくさん存在していますから、そういう企業をどうやって転職活動で見極めるかもお話ししますね。

──それは簡単に見極められるものですか?

ええ。技術的にまともな会社は、技術力を持ったエンジニアを採用していくために、選考フローの中で必ずフィルタリングを行っていますから、選考フローを見るだけで幾分かわかります。

例えば、現場のエンジニアが面接の場に出てきて候補者の技術力をしっかり確かめるとか、コーディングテストで足切りされるようになっているとか、そういう仕組みがある会社です。

選考の対策を面倒に感じる人もいるかもしれませんが、そういう企業の面接を実際にいくつか受けてみると、得られるものは多いはず。

各社の面接で自分がつまづいたところや、うまく答えられなかったところがわかると、年収アップ、キャリアアップをかなえるために今の自分に足りていないことが見えてくると思います。

次ページ“キャリア不満”の解消は「制約」を取り払うことから始まる
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