社会構造の変化も見据え受信料10%還元を検討へ--松本正之・日本放送協会(NHK)会長


──還元とは受信料の値下げを意味しないのでしょうか。

(経営計画には)「還元」と書いてあるので、それを踏まえ、どういう形がいいのかを検討していく。

--そもそも、ドタバタの中でNHK会長就任という火中の栗を拾う決断をしたのはなぜですか。

経営委員会から全員一致で頼まれたから。いろんなことを頼まれたときに避けるか避けないか。私の場合、避けるべきではないと考えた。

--NHK会長を含む執行部を監督するのが、外部メンバーで構成する経営委員会ですが、今回の会長人事で混乱ぶりが露呈しました。組織的な問題もあるのではないですか。

経営委員会と執行部という組織の中で、それぞれが機能を果たしつつ、意思疎通をよくしていきたい。組織の形はいろいろある。それを変えるための努力をするのも一つだが、私はそれを所与の条件とし、その中で最大限やっていくにはどうしたらいいのかを考える。目的とするところは一緒で、やはり私たちは、NHKが公共放送としての役割を果たすためにいちばんいいと思うようなことをやっていく。議決権の問題はあるが、会長は、実際には経営委員会にも出ようと思えば出られる。

──7月24日に予定されている地上デジタル放送への完全移行は大丈夫でしょうか。

まだ時間はある。国と民放、NHKがいろんなサポートをスピードアップして行っていく。地デジに移行できない方々をできるだけ少なくするために今作業をしており、それを続けていきたいと考えている。

まつもと・まさゆき
名古屋大学法学部卒。1967年日本国有鉄道入社。国鉄分割民営化を推進し、労使問題に尽力。東海旅客鉄道(JR東海)取締役などを経て2004年社長。10年から副会長。三重県出身。66歳。

(聞き手:大滝俊一・週刊東洋経済編集長、冨岡 耕 撮影:大澤 誠 =週刊東洋経済2011年4月9日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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