Kaori:アメリカの大学に1年留学したとき、規定で普通のfreshman(1年生)が履修する英語のクラスを取らなければならなかったんです。その授業なんですが、先生の言っていることが全然わからなくて。授業をレコーダーで全部録音して、寮に帰ってから聞いて「ああ、こんな話してたんだ」という具合でした。
でもね、テストでは満点ばかりとれちゃう。常にクラスのトップでした。試験で点数が高いからと、先生がすごい勢いで授業中に私めがけて話しかけてくるようになって……。でも、きょとんとしている私を見て、「こいつはいったい何者なんだ?」って先生もびっくりしていました。 そんな経緯があって「テストで満点とれるんだし、文法はもういいんだな」という思いに至りました。
英語ネイティブには、二言三言しゃべれば、ネイティブじゃないってことはすぐばれる。でも、全然困ることはありません。アメリカだけじゃなくて、海外ではいろんな国の人が第2言語として英語を大勢使っているんです。
完璧な発音や文法は案外使われていない
安河内:私も今アメリカとビジネスをしています。取り引きしている会社の経営者はアメリカ人とイラク人です。イラク人の英語は、私と同じようなノンネイティブの英語。でも、コミュニケーションに支障はありません。アメリカの会社は、色んな国の人が経営陣の中にもいたりして、インターナショナルなところも多い。アメリカ=アメリカ人ということではない。アメリカ国内でビジネスをしている人が英語のノンネイティブという割合は少なくない。そういった環境だから、完璧な発音や文法の英語って意外に飛び交ってなかったりするんです。
Kaori:アメリカに留学していたとき、Laundromat(コインランドリー)で働いているスタッフがハイチ人だったんです。しばらく彼が英語をしゃべっているという事実にも気付かないほど強い訛りがありました。アフリカのフランス語なまりで、何を言っているかまったくわからなくて。Hi, how are you doing?といった簡単な挨拶も最初は理解できかせんでした。
フリーズしていたら、Do you understand English?って聞かれちゃった。「そっちがちゃんとしゃべれ!」みたいに心の中で突っ込んでました(笑)。英語ネイティブの黒人の女子も「彼は何言っているかちょっとわからない」って言ってましたから。でも、そんな人も普通にたくさん生活しているのがアメリカ。だから、日本人はもっと自信を持っていいと思います。
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