Kaori:間違えましょうよ!どんどん!!アメリカに行ったって、どれほどの人が正しい英語をしゃべっているかって話ですよ。思った以上に間違った、あるいはいい加減な英語で会話がされていると思います。たとえば、黒人の中にはI ain’t no business.とか平気で話す人もいます。「なんすか、それ?」ってなりますけどね。「ビジネスするの、しないの?もうどっちなの?」みたいな。
I am eatingじゃなくて、Me eatingって言ったり。文法が必要ないって言っているのではないんです。文法は大切だし、知っているに越したことはないけど、絶対ではないと私は思っています。
安河内:じゃあ、発音が間違っていてもOKだと?
大きな声で話せば思ったよりも伝わる
Kaori:はい。伝わればいいんです。自信なさげにぼそぼそつぶやくのではなく大きな声で話せば、思ったよりも伝わります。
安河内:すでに話題にしたように、日本人は英語で話すとき、受験英語のブレーキがかかるんですね。常に4択、並べ替えといった問題のテストばかりを受けて、文法的な正しさだけを試されてきた。しかも、受験英語から解放され社会人になっても、マークシートのテストで正しい答えを選ぶことをやり続けています。
発話するときには、それがブレーキとなる。三単元のSがついているかどうか、過去形になっているかどうかとかね。私自身も英語を長い間学んでいるわけですが、最近三単元のSを完璧につけるようとするのは、あきらめました。30年以上やってきてね。もう無理だという境地にやっと至ったんです。三単元のSを完璧に使い分けるには、まず瞬間的に主語が三人称かそれ以外か、続けて次にすぐ複数か単数か見抜かなければならない。そして、現在形のときだけSをつける。無理だし、もうやめたぞ!と最近になって(笑)。
でも面白いもので、あきらめてからは、前よりもうまくできるようになりました。気にしなくなると、ブレーキがかからなくなるのでしょうね。瞬時にSがついているときがある。完璧を追求していたころは、主語と動詞の間で必ずポーズができてしまっていたのに。
同じようにbe動詞がisかareなのかも気にしすぎるとブレーキがかかってポーズが生まれ、滑らかに話すことができない。逆に気にとめなくなると、これもだんだん使い分けができるようになる。気にしない、あきらめる、開き直るというのは、案外に理にかなっているんですよね。
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