「黒人の髪型」で卒業式隔離→その後起っている事 一過性の問題にしないために何ができるか

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「今回のようなことは、日本の教師と教育システムがこの状況について無知であり続けていることを示しています」と川原さん。「これはファッションの問題ではなく、ルーツが文化に関することです。たとえ知らなかったとしても、生徒をクラスメートから隔離することは許されないことを理解するべきです」。

今回の署名運動の立案者であり、自らも複数の人種的ルーツを持つエリカさんも、「教師たちは生徒がクラスメートと共に卒業することを禁じる前に生徒と両親と話し合いをするべきだったと思います」と話す。

「私はこれまでいくつかの日本の学校に通い、教師たちが私の髪型やファッションに『ノー』という場合、それは黒人文化についての無知以上のことを反映したものだとつねに感じてきました。そこには憎しみや見下しも存在していたのです。ストレートヘアはいい髪で私の髪のようなカーリーヘアは悪い髪であるという信念。私はこれが育っていくのをつねに感じてきました」

「不合理な校則に直面してきた」という賛同の声

署名には以下のような賛同の意見が多く集まっている。

「今の時代、差別偏見を助長するだけでなく社会に出れば自分や他者の外見をプロデュースできることも立派な武器のひとつで収入も左右することがあります。そういう感性を育むべき学校が生徒の可能性の芽をつぶしているのはどうかと思います」

「古臭い考え方はやめにしましょう。 いろんなルーツのある方も増えてます。 多様性の時代にいつまで逆行し続けるのですか?」

「同じくブラック系のミックスでこうした不合理な校則に直面してきました。ブレイズやコーンロウで学校に行けば呼び出され、同級生から嘲笑されることもありました。進学後も地毛証明書の提出などで目をつけられるのがすごく怖く、縮毛矯正などで耐えてきました。 黒髪直毛ではない生徒を萎縮させ、自分の地毛や保護するための髪型を『清潔ではない』とみなすような校則は人権侵害であり一日も早く見直されるべきです。 私より若い生徒たちが同じような辛い思いを経験してほしくないんです。 学校は人権と尊厳を尊重してください」

日本の学校ではしばしば、その生徒の人種的ルーツにおいては自然な髪型だったとしても、日本では”異質”と捉えられる髪質や髪型をしている生徒は嘲笑やからかいの対象となってきた。そうした侮辱をさらに深い傷にしているのが、日本で当然のように行われている時代遅れな校則などを含めた規則である。

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