「黒人の髪型」で卒業式隔離→その後起っている事 一過性の問題にしないために何ができるか
その最たるものの1つが厳格な地毛証明書だろう。少なくない学校が、生徒が髪の毛を染めたり、パーマをかけたりしているのか、あるいは生まれつきなのかを見分けるための証明書を導入している。
「これはアフリカ系のルーツを持つ生徒だけに影響するものではありません。これはすべての人種、『純粋な』日本人と考えられる人々にさえ影響することです」と、エリカさんは語る。
「かつて髪の毛の色が明るいクラスメートがいたのですが、教師が彼女の髪を教室で黒くスプレーで染めたことがありました」と川原さんが続く。「彼女はフィリピンと日本のハーフで彼女の髪は明るく見えがちだったんです。しかし教師はそれが彼女の地毛であると信じませんでした。だから教師は髪を掴んで教室の前まで彼女を引っ張っていき、スプレーで髪を黒くしたのです」。
校則見直しに加えて、ワークショップ開催も求める
今回の署名運動の最終的な目標は、髪質・髪型に基づく差別的行為を禁止するだけでなく、問題のある校則を見直し、ダイバーシティ・公平性・インクルージョンに関する専門家による資料などを使った定期的なワークショップを開催するよう文科省を説得することだ。
ただし、すべての人がジャパン・フォー・ブラック・ライブスの活動に好意的なわけではない。ミックスルーツを持つ日本人の中にも反対意見を示す人がいると川原さんは言う。
「SNSでより多くのフォロワーを得るために保守的な日本人が聞きたがることを言う人もいますし、YouTubeにはこれは差別ではない、と言う有名なバイレイシャルのボクサーもいます。彼だけを取材する報道機関もあるので、一部の人は片一方の意見だけしか耳にしないことになってしまいます」
日本の学校では生徒の大多数が伝統的な日本人だからダイバーシティを尊重することは重要な問題ではない、という人々の意見についてどう思うかエリカさんに聞いたところ、こんな答えが返ってきた。
「私たちはミックスルーツを持つかもしれませんが、私たちも日本人なんです。私たちは日本に存在しています。私たちの国籍は日本です。私たちは日本語を話し、日本の文化を知り、日本の歴史を学びます。私たちは日本人なんです。これは割合の問題ではありません。日本人とは誰なのか、何なのかを再定義する必要があるのです」。
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